バフェット太郎です。

31日のNYダウ株式市場は前日比ー22.10ドル(ー0.09%)安の2万5964.82ドルと下落して取引を終えました。下落した主な要因は、米国とカナダが進めていたNAFTA(北米自由貿易協定)改定を巡る協議が物別れに終わったためです。

カナダのフリーランド外相は「我々は良好な協定を模索しており、カナダのためになる協定のみに合意する」としたうえで、「まだその状況には至っていない」とするなど、断固として国益を守るとの考えを示しました。

また、USTR(米通商代表部)は「建設的な協議で進展があった」としたものの、「農産物でカナダからの譲歩は何もない」と不満を漏らしています。

トランプ大統領はかねてからカナダの農業政策を批判しており、最大300%にもなっている乳製品に対する関税の撤廃を目指しているわけですが、カナダでは酪農家が政治に大きな影響を持っていることから、譲歩すれば国内で反発が起きかねず、政権を維持するためにも譲歩するわけにはいかないのです。

ただし、9月末までに最終合意することが出来れば、米国とメキシコの二国間で合意したNAFTA改定案にカナダが加わることができるので、現状、それほど差し迫った状況ではなく、来週5日にも協議が再開される予定であることから、株式市場にそれほど大きな動揺は見られません。

さて、NAFTA改定案を巡って「米メキシコ貿易協定」がすでに合意しているわけですが、これは米自動車株にとってマイナス材料になります。

なぜなら自動車の原産地規則について、現地調達率を現行の62.5%から75%に引き上げなければならないことに加えて、一部の製品については賃金が最低16ドルの地域で生産しなければならない規定を設けたからです。これにより、製造コストと販売価格が上昇するため、消費者の買い控えが予想されます。
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【ゼネラル・モーターズ(GM)日足】
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GMの株価は6月の高値45ドルからー20%安の36ドルで推移しています。今後は販売価格上昇による販売台数の低迷が懸念材料となる一方、景気拡大による消費支出の増大で販売台数が予想するほど落ち込まない可能性もあります。

ただし、近くリセッション(景気後退)入りし、消費支出が急速に縮小することになれば予想以上に業績が落ち込むことも考えられるため、リスク許容度の低い投資家にとってあまり近づくべき銘柄ではありません。

また、雇用の面でメキシコはILO(国際労働機関)の労働基準を順守することが義務付けられるため、メキシコの賃金が上昇することが予想されます。これはメキシコの輸出競争力を削ぐことになりかねず、メキシコ株式ETFにとってマイナス材料となります。ただし、足元ではFRBによる利上げがドル高の追い風となっているため、メキシコペソ安がコスト上昇分を相殺することが予想されます。

【iシェアーズ・メキシコ株式ETF(INW):週足】
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指数は50日と200日移動平均線の下で推移していることから、弱気相場が続いていることを示唆しています。

グッドラック。

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