バフェット太郎です。

トランプ大統領が約2000億ドル規模の中国製品に対する追加関税措置を進めるよう指示したことが明らかになりました。この報道を受けてダウ平均は急落し、マイナス圏に落ち込む場面もありましたが、結局前日比+0.03%高とほぼ横ばいで取引を終えました。

さて、米国は中国製品に対してすでに500億ドル規模の追加関税を課していますが、今回の2000億ドル規模とは別に、新たに2670億ドル相当の輸入関税を課すと警告しているなど、米中貿易戦争が和らぐ兆しは見えません。

これに先立ち、中国が対米貿易摩擦で態度を軟化させていたことから、貿易摩擦が和らぐとの期待感が投資家らの間で高まっていました。

たとえば、米石油最大手エクソン・モービル(XOM)が広東省に100億ドル規模の石油化学施設の建設を巡って、投資家らは中国当局がエクソン・モービルに報復措置を講じるのでは?と懸念していましたが、劉鶴副首相は会合で「外国企業への報復は容認しない」とし、「米企業の中国ビジネスが知米報復措置の標的になることはない」と語るなど、態度を軟化させていることは明らかです。

これまで習近平国家主席は「米国は右の頬をぶたれたら左の頬を差し出すかもしれないが、中国は殴られたら殴り返す」と話すなど、米国による対中関税に対して対抗措置を講じる姿勢を強調していたのに、どうしてここにきてその強気の態度を軟化させているのでしょうか。

結論から言えば、貿易摩擦の悪化が経済に打撃を与えているだけでなく、将来に欠かせない投資が鈍化するとの懸念が高まっているからです。

中国国家統計局が発表した固定資産投資の伸び率は過去最低に落ち込んだだけでなく、小売売上高と鉱工業生産も予想を下回るなど、中国経済の減速が鮮明となっています。

また、中国にとって米国による国内投資は全体の2%にすぎないものの、その多くが中国の経済成長に必要な重要部門への投資なので、米企業に制裁を加えれば、米国による投資が見込めなくなってしまうので、米企業を対象とした報復措置はしたくてもできないというのが本音です。

たとえば、インテル(INTC)による半導体技術やゼネラル・エレクトリック(GE)による航空業界への投資は、中国にとって最先端の技術や管理ノウハウを盗む絶好のチャンスなので、中国は米企業の流出だけは食い止めたいわけです。

事実、一部の米ハイテク大手企業は中国当局に対して、「米中貿易摩擦が今年終盤まで長引けば、生産拠点を中国本土から移さざるを得ない」と警告し、中国は関税の影響緩和に向けた支援策を提供するなど、米企業の不安払しょくに必死になっています。

しかし、残念ながら米中貿易摩擦は何年にもわたって長期化する公算が大きいです。なぜなら中国が「通貨」と「先端技術」において覇権を握ろうとしているからです。

日本はこれを食い止めようとTPPで対抗しようとしているわけですが、米国はそんな煩わしいことをしなくても、対中報復措置として高率の関税を課すだけで対抗できると考えています。実際、この報復措置の後、中国株は暴落し、経済成長が鈍化しました。また、高率の関税を嫌気して先端技術を持つ米企業が流出しようとしています。

今、米国と中国を巡って起きていることは「通貨」と「先端技術」の覇権を争う戦争に他ならず、相手が降伏するまで戦争が続くことを考えれば、中国は態度を軟化させるだけで済むわけではなく、降伏するまで続くことが予想されます。

グッドラック。

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