バフェット太郎です。

ハイテク大手のIBMが「Linux」などオープンソースソフトウェアのプロバイダーとして最大手のレッド・ハット(RHT)を買収することで合意しました。

買収規模は340億ドル(約3兆8000億円、一株当たり190ドル)でIBMにとって過去最大規模のM&Aになります。

ちなみにレッド・ハットの18年2月期の純利益は2億5900万ドルだったので、IBMは純利益の131倍を支払うことになるわけですが、ハイブリッドクラウド関連ビジネスの市場が21年にも730億ドルに達することが見込まれていることを考えれば、決して高すぎる買い物とは言い切れません。

さて、レッド・ハットは企業向けソフト「レッド・ハット・エンタープライズ・リナックス(RHEL:レル)」が主力で、「RHEL」のライセンス料金は無料であるものの、関連したサービス(アップデートやサポート、特許訴訟からの保護など)に対して料金を支払うサブスクリプション契約となっています。

サブスクリプション契約とは、雑誌でいう所の「定期購読」を意味するので、安定したキャッシュフローを稼ぐことができます。

【レッド・ハット(RHT)のキャッシュフロー:2009ー2018】
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レッド・ハットの営業キャッシュフローは右肩上がりで上昇している一方、投資支出がほとんど必要としないことから莫大なフリーキャッシュフローを稼いでいます。また、18年1月にはクラウド強化のためCoreOSを2億5000万ドルで買収しています。

レッド・ハットの顧客にはアマゾン(AMZN)やマイクロソフト(MSFT)などハイテク業界の巨人が名を連ねており、アマゾンのAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)やマイクロソフトのアジュールにRHELがロックインされています。

IBMは世界中の公的機関や大企業を顧客としているので、レッド・ハットはこのリソースを活用してオープンソース技術を世界に広めていくことが可能になります。

★★★

レッド・ハットの株価は9月に発表した第2四半期決算が予想を下回る悪い数字だったことで暴落しています。

EPSは予想0.82ドルに対して、結果0.85ドルと予想を上回ったものの、売上高は予想8億2800万ドルに対して、結果8億2000万ドルと予想を下回りました。

また、第3四半期決算(9ー11月期)のガイダンスもEPS0.92ドルに対して、新ガイダンス0.87ドル、売上高8億6200万ドルに対して、新ガイダンス8億4800万~8億5600万ドルと予想を下回りました。

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【レッド・ハット(RHT)日足】
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売上高と第3四半期のガイダンスが予想を下回ったことから株価は暴落していますが、レッドハットは成長鈍化は「底を打った」と見ています。

IBMのロメッティCEOはIBMの増配を続ける予定であることを表明し、レッドハット買収後に人員削減を行う計画はないとしています。また、レッド・ハットはIBMのハイブリッドクラウド部門に所属する独立した組織として運営される予定で、ホワイトハーストCEOはIBMの経営陣に加わることが決定しています。

また、通常、M&Aが発表されると買収する側の株価は下落するものです。

グッドラック。
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