バフェット太郎です。

米労働省が10月の雇用統計を発表しました。内容は良かったです。

失業率は予想3.7%に対して、結果3.7%と予想に一致しました。

非農業部門就業者数は予想19万3000人増に対して、結果25万人増と予想を上回りました。

平均時給(前年同月比)は予想3.1%の上昇に対して、結果3.1%の上昇と予想に一致しました。

9月の就業者数は13万4000人増から11万8000人増に下方修正されました。

8月の就業者数は27万人増から28万6000人増に上方修正されました。

労働参加率は62.9%と、前月の62.7%から上昇しました。

やむなくパートタイム職に就いている人や職探しを諦めた人を含めた広義の失業率は7.4%と、前月の7.5%から低下しました。

さて、失業率は3.7%と49年ぶりの低水準を維持したわけですが、仮に労働参加率が上昇しなければ、失業率は3.4%まで低下したと言われています。

【失業率:1988ー2018】
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失業率は水準そのものが重要というわけではなくてトレンド(方向性)が重要なので、現在のように低下傾向であるならば、投資家はひとまず安心して大丈夫です。

つまり、失業率が5%でも3%でも低下傾向にあるなら、米経済は追い風を受けて株高が加速しやすいですが、失業率が上昇傾向にあれば、米経済は向かい風を受けて株安が加速しやすいというわけです。

事実、過去30年の失業率を振り返ると、90年7月のリセッションは失業率5.5%を起点として始まった一方、01年3月のリセッションは失業率4.3%を起点とし、現在は失業率4%を下回る水準であるにも関わらずリセッションは起きていません。

しかし、過去を振り返ると米経済は失業率が一転して上昇し始めるとリセッション入りしていることから、失業率が上昇し始めたら警戒する必要があります。別の言い方をすれば、上昇に転じていない今は依然として景気拡大期であると言えるわけです。

また、今回の雇用統計において最大のニュースは賃金の上昇でした。
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平均時給(前年同月比)は3.1%と、2009年以来およそ10年ぶりの高い伸び率を示しました。

賃金が上昇しているということは、米労働市場が売り手市場になっており、労働者は転職することで自身の給与を上げやすくなっていることを意味します。

賃金の上昇は消費の拡大を意味するので、経済にとってプラスの要因になると言えますが、賃金の上昇は企業にとってコスト増を意味するので、必ずしもプラスの要因になるわけではありません。

そもそも人は仕事が安定している中で、株や不動産など資産価格が上昇すれば、普段よりも楽観的になって消費を楽しむものです。しかし、資産価格が急落すると途端に悲観的になって財布の紐を締めるものです。

つまり、コスト(賃金)が増加すれば企業の利益は減少するので、株や不動産などの資産価格も下げ始めます。すると人は財布の紐を締める消費が縮小します。消費が縮小すれば企業の利益はますます減少するのでリストラや賃下げに動きます。すると消費がさらに縮小するので企業の利益は…という負のスパイラルに落ちます。

とはいえ、資産価格が本質的な価値より低迷すれば、投資資金を予め安全資産(現金や債券、ディフェンシブ株)に振り分けていた賢明な投資家たちが割安な資産を買い始めます。すると株や不動産などの資産価格が上昇し始めます。資産価格が上昇すれば企業が投資に積極的になり雇用が増えます。雇用が増えれば消費が拡大し企業の利益が増えます。企業の利益が増えればさらに雇用が拡大し、消費もさらに拡大、株や不動産価格も上昇するなど正のスパイラルとなります。

このように景気は循環するものなので、人は不況を避けることはできませんし、好況が訪れないこともありません。そのため、投資家はリスクを無視した大胆な投資をするのではなく、不況時に割安な資産を買い向かえるような堅実で賢明な投資を心掛けるようにしてください。

グッドラック。

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