バフェット太郎です。

3日、英製薬大手グラクソ・スミスクライン(GSK)が第4四半期決算を発表しました。内容は悪かったです。

調整済み純利益は予想9億0300万ポンドに対し、結果8億7400万ポンド
売上高は予想63億ポンドに対し、結果63億ポンド

売上高は予想と一致したものの、調整済み純利益は予想を下回りました。また、調整無しの純利益は-3億5400万ポンドの赤字です。これはスイスの製薬大手ノバルティスとの資産交換に伴う事業再編費用が響いたためです。

この事業再編で、GSKは抗がん剤事業を手放しワクチン事業を取得しました。ノヴァルティスのワクチン事業は世界シェア第五位でした。

GSK30y
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GSKの30年チャートです。トレンドラインとサポートラインに支えられるようにして反発しています。

競争優位性の高い製薬会社に投資する場合、二つのアプローチの仕方があります。一つは大ヒット医薬品の特許を所有する会社に投資することです。例えばギリアド・サイエンシズ(GILD)がそれです。C型肝炎治療薬「ハーボニ」と「ソヴァルディ」をヒットさせています。

もう一つは世界各国の保健省に、小児の予防接種に必要なワクチンを独占的に売り込む会社です。それがGSKです。ワクチン事業は魅力的なビジネスで、予防接種一回分のワクチンの製造コストはおよそ1.50ドル程度、販売価格は9ドルと極めて利益率が高いです。また、こうしたワクチン事業が新興企業にシェアを奪われる心配はありません。政府が自国の数百~数千万人の子どもたちの健康を管理しなければならない場合、どこぞと知らない企業に任せられないからです。そのためワクチン事業は大手製薬会社が独占しています。

シェアトップは英GSKの28%、第二位に仏サノフィの21%、第三位に米メルクの17%、第四位に米ファイザーの16%と、この四大企業でワクチン市場の82%を独占しています。

GSKのPERは7.22倍、配当利回りは5.32%とバリュエーションは魅力的です。バリュー株投資家がヘルスケア関連株をポートフォリオに組入れる場合、必ず候補に挙がる立派な銘柄です。
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