バフェット太郎です。

製薬大手のエーザイが希望退職を募集したところ、100名の募集に対して300名の応募があったとのこと。これは単独従業員数3200名のうちの一割に相当します。

ちなみに、対象者は45歳以上で勤続年数5年以上の社員で割増退職金総額は66億円と、一人当たり2200万円が上乗せされます。また、希望退職者の募集は三年連続で行う予定で、来期、来々期の募集も予定通り実施する予定です。

エーザイが希望退職を募集している背景には、新薬開発に注力する中で組織の新陳代謝を進める他、認知症治療薬「アリセプト」の成功にあぐらをかいていた不要な人材を切り捨てるためです。

そもそも、製薬会社は年収が高いことで知られていますが、エーザイの平均年収は1044万円と、武田薬品工業の1038万円、第一三共の1103万円、アステラス製薬の1079万円と同様、1000万円台の大台を超えています。これは、男女合わせた正社員の平均年収487万円の二倍以上の額です。

エーザイはこれまで、主力製品の「アリセプト」と消化性潰瘍治療薬「パリエット」が成功したことで業績は大きく拡大し、従業員にも高い給与が支払われてきました。しかし、その後は目立った新薬の開発に成功することなく、「アリセプト」と「パリエット」は特許切れとなったことで業績が長期で低迷しました。
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(出典:ダイヤモンド・オンライン

ところが、同社は年功序列型の給与体系であるため、アリセプトの成功の恩恵に与っていただけの中年社員は次第に業績を圧迫するだけのマイナス要因となり、会社のお荷物になっているわけです。そのため、今回は切り捨ての対象として、希望退職者の募集が行われたわけです。

しかし、希望退職者の募集は通常、優秀な人材ほど応募し、不要な人材ほど会社にしがみつくものです。

結果、優秀な人材は割増退職金を貰って武田薬品工業やアステラス製薬などのライバル企業に転職し、エーザイには不要な中年従業員だけが残るというわけです。

こうしたことから、大企業の年功序列型の給与体系はすでに限界に来ており、企業の競争力を弱める原因になっています。とはいえ、大企業の大多数を中年が支配していることを考えれば、大きな変化は期待できず、ゆでガエルのようにゆっくりと衰退していくのかもしれませんね。

グッドラック。

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