バフェット太郎です。

ZOZOの株価が、18年7月の高値4875円から1670円と、わずか半年で-65.7%と大暴落しています。

ZOZOは年明けに「総額1億円のお年玉企画」として、100万円を100名にプレゼントすることで話題を集め、ツイッターのフォロワー数は一時600万人の大台を突破するなど、コスパの良い広告を打つことに成功しました。

現在のフォロワー数は500万人を割り込み、485万人となっていますが、それでも「お年玉企画」をする前の50万人からは400万人以上増えています。また、このうち0.1%(4000人)が新たにZOZOで買い物をするようになり、月平均3000円の利益を上げることができれば、年間で1億4400万円(4000人×3000円×12カ月)の利益になるので、1億円のお年玉を広告費と考えれば十分にペイすることができます。

ちなみに、ZOZOは出店企業に対して売上高の30%台半ばの手数料を徴収しているので、平均出荷単価が9560円であることを考えれば、一回のお買い物で約3000円の手数料を稼いでいると考えられます。

こうした期待感で株価は底を打ったかのように思えましたが、先日発表された19年第3四半期決算で、プライベートブランド(PB)事業の不振が明かになると、株価は再び下落に転じました。
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株価はわずか半年で-65.7%安と大暴落しており、17年以降にZOZOに投資して買い持ちしている投資家は全員含み損を抱えている状態です。

期待されているプライベートブランド事業は、通期の目標売上高が200億円に対して、第3四半期末時点で未だ22億6000万円と一割程度の進捗にとどまっています。また、利益ベースでは125億円もの赤字を計上しました。

こうした中、前澤友作氏は「お年玉企画」で集めた485万人ものフォロワーを利用して挽回を試みます。それがこちらのアンケート。
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いまお店で約1万円くらいで売られている洋服の原価がだいたい2000~3000円くらいだということを、皆さんはご存知ですか?→「知っていた」「知らなかった」

後々セールすることが決まているなら、最初からセール価格で販売してほしい。→「はい」「いいえ」

自分が定価で買った洋服が、後々セールで安く売られているのを見たときの気持ちは?→「素直に残念です」「仕方ないと思う」

どうせ少し時間が経てばセールになるので、洋服を定価で買うのはバカらしいと思う。→「思う」「思わない」

誘導尋問かな?とも取れるようなアンケートをしたことで、多くの人々がこのツイートに不快感を示し、前澤氏は485万ものフォロワーを利用して挽回するどころか、失態を晒すことになってしまったのです。

そもそもZOZOは先にも説明した通り、出店企業に対して売上高の30%台半ばを販売手数料として徴収しています。つまり、約1万円で売られている洋服の原価を3000円、販売手数料3500円とした場合、残りの3500円が出店企業の利益になるわけです。

「3500円の利益が残るんだからいいじゃない」と思うかもしれませんが、仮に同じ約1万円の洋服(原価3000円)が一点売れ残ったら、それは赤字として計上されるので、最終利益は500円(3500円-3000円)しか残りません。

また、洋服は生鮮食品と同様に鮮度(流行り廃り)があるので、常に在庫リスクが生じます。一方でZOZOは在庫リスクなしで30%台半ばの販売手数料を徴収しているので、出店企業から不満の声が上がるのは何も不思議なことではありません。

こうした中で前澤氏は「アパレル企業がぼったくりをしている」とも取れるアンケートをしたことで、出店企業の怒りを買い、投資家らは「PB事業が不振の中で出店企業の”ZOZO離れ”が加速するのでは?」と懸念して株を投げ売りしました。

結果、前澤氏はツイッターの休止を発表する始末。

ツイッターで挽回どころか自爆ツイートをしてしまったわけですが、ZOZOが本当にやるべきことは「お金でフォロワーを買って、効率良く販売手数料を徴収すること」でもなければ、「ブランドを地道に築いているアパレル企業に対してぼったくりのレッテルを貼ること」でもなくて、「良質でオシャレな洋服を適正な価格で顧客に届けること」であるはずです。

PB事業が不振であることに加えて、出店企業が「どうせ割引セールに利用されるだけだから」と店舗の売れ残り商品を流しているということは、「良質でオシャレな洋服を適正な価格で顧客に届けること」ができていないことを意味しています。

ハッキリ言って服も経営戦略もツイートもクソダサい今のZOZOにはなんの魅力もありません。

グッドラック。

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