バフェット太郎です。

米中貿易戦争で揺れる中、10日のNYダウ株式市場は前日比+114.01ドル(+0.4%)高の2万5942.37ドルと上昇して取引を終えました。

上昇した主な要因は、米中貿易協議が合意に至らず、物別れに終わったものの、トランプ大統領が「建設的な対話だった」だったとし、「協議は継続する」と語ったことが好感されたためです。

そして、米国はこの日、2000億ドル相当の中国製品に対する関税率を10%から25%に引き上げ、その後USTR(米通商代表部)は、これまで対象外だった3250億ドル相当の中国製品に対しても追加関税を課す手続きに入ると発表しました。これを実行すれば、中国からの輸入品全てが追加関税の対象となります。

これを受けて中国は「報復する」と反発を強めていますが、その詳細については語られませんでした。
なぜなら、中国には報復する手立てがほとんど残されていないからです。
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グラフは相手国からの製品輸入額を表しています。米国は年間5750億ドル相当の中国製品を輸入しており、そのうち2500億ドル相当に関税が課されたわけですが、未だ3250億ドル相当の中国製品に追加の関税を課すことができます。

一方で中国は、年間600億ドル相当の米国製品を輸入しており、そのすべてに関税を発動してしまっています。仮に関税率を引き上げれば、米国も関税率を引き上げるだけなので、関税に対して関税で対抗することは難しいのです。

とはいえ、報復関税以外の手立てがないのが現実です。中国は人民元による切り下げで輸出競争力を高めることができますが、当局が15年に人民元の切り下げを行うと、中国発世界同時株安に発展してしまったこともあり、当局者のトラウマになっています。

また、保有する大量の米国債を売却するという手もありますが、中国が大量の米国債を売却すれば、債券利回りが急騰(価格は急落)しかねません。すると、残りの保有米国債の価値が下がるだけでなく、ドルが急騰してインフレが加速しかねません。

なぜ、ドルが急騰するのかと言えば、世界の投資マネーとは、金利の低いところから高いところへと流れる傾向があるため、米国債利回りが急騰すると大量のドル買い需要が生まれるからです。

中国経済が大きく減速している中でインフレが加速すれば致命的です。

このように、中国には報復の手立てがほとんどなく、米国による経済制裁に打ちのめされることが予想されるため、投資家は中国への投資から距離を置いておいた方が良さそうです。

グッドラック。

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