バフェット太郎です。

個人投資家の中には、「大型株に長期投資するよりも小型株に長期投資した方が高いリターンが期待できるに違いない」と考えている人も少なくないはず。

たしかに、成熟した大型株よりも若い小型株の方が高い利益成長率が期待できるように思えますが、小型株は将来への期待値が高い分、割高になりやすくパフォーマンスの足枷になりやすいです。

そこで、大型株と小型株の指標として、それぞれ「S&P500」と「ラッセル2000」を採用して、過去40年間のパフォーマンスの比較を紹介したいと思います。
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上の表は配当再投資込みの年間収益率を比べた際、どちらがアウトパフォームしたかを表したものですが、ラッセル2000(小型株)はS&P500(大型株)に対して22勝18敗と勝ち越していたことがわかります。

また、赤の時代は景気後退局面を表しているのですが、過去8年間の景気後退において、ラッセルはS&Pに対して6勝2敗とやはり勝ち越していることがわかります。つまり、景気後退局面では意外にも小型株の方が強いというわけです。

次は長期的なトータルリターンの比較です。

【ラッセル2000とS&P500のトータルリターン推移】
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1978年末時点を100とした場合、2018年末までの40年間のトータルリターンはラッセル2000が6790だったのに対して、S&P500は7835とラッセル2000をアウトパフォームしていました。これは終盤の9年間で一度も景気後退局面がなくS&P500に追い風が吹いたことが要因です。事実、2010年から2013年までの4年間までならラッセル2000がS&P500をアウトパフォームしていました。
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上のチャートはそれぞれ最初の年を100とした場合、その後の20年間のトータルリターンを比較したものです。

過去を振り返ると、1978~1998、1982~2002、1986~2006のそれぞれの20年間でS&P500がラッセル2000をアウトパフォームしたものの、1990~2010、1998~2018のそれぞれ20年間ではラッセル2000がS&P500をアウトパフォームしていました。また、1994~2014の20年間のパフォーマンスはほとんど同じでした。

つまり、投資をいつ始めたかで20年後のパフォーマンスは大きく違います。これは特定の投資スタイルが一度勝ち始めると、その後数年間に渡って勝ち続ける傾向にあるためです。

事実、1984~1999までの16年間では、S&P500がラッセルを12年アウトパフォームしましたし、2000~2013年までの14年間では、ラッセル2000がS&P500を12年アウトパフォームしていました。

すると、「大型株がアウトパフォームしやすい局面では大型株に投資し、小型株がアウトパフォームしやすい局面では小型株に投資すればいい」と、都合の良いことばかり考える人がいますが、いつその転換点が訪れるのかが誰にもわからないことを考えると、それは机上の空論だと言えます。

そして、最も避けたいのは大型株がアウトパフォームする局面で小型株に投資し、小型株がアウトパフォームする局面で大型株に投資してしまうことです。それを避ける手段として積立投資があるので、愚直に積立投資を続ければ、運の悪さを軽減することができます。

このように、大型株と小型株では優劣などなく、正確にタイミングを計ることなどできないことを考えると、投資家がやるべきことは、一貫した投資スタイルを継続して、愚直に積立投資をし続けることです。また、比較的配当利回りが高く、ボラティリティ(変動率)が低い大型株の方が個人投資家は運用しやすいと思います。

グッドラック。

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