バフェット太郎です。

NY連銀が公表したNY連銀製造業景況指数は予想11.0に対して、結果-8.6と予想を大きく下回りました。これは16年5月以来、およそ三年ぶりの悪い数字で、米中貿易戦争がエスカレートする中で、米国の製造業が打撃を受けていることが明かになりました。
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(出所:米NY連銀

そもそもNY連銀製造業景気指数とは、NY州にある約200の製造業者を対象として景況感をまとめたものになります。指数が0を上回っていれば景況感の改善を意味しますが、反対に0を下回っていれば景況感の悪化を意味します。

そのため、今回の-8.6は製造業が悪化していることを示唆しています。

【NY連銀製造業景気指数:内訳】
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指数の内訳を眺めると、新規受注と受注残が大きく悪化したほか、ほとんどすべての項目で下落が見られます。これは少し予想外です。

なぜなら、先日商務省が発表した5月の米小売売上高は予想0.7%に対して、結果0.5%と予想を下回ったものの、4月は-0.2%から0.3%に上方改定されたほか、「自動車・部品」「家具」など比較的価格の高い耐久財が好調だったからです。

また、FRBが公表した5月の米鉱工業生産指数は予想0.2%に対して、結果0.4%と予想を上回ったことに加えて、設備稼働率も78.1%と高水準の稼働率を示したことから、「米経済は予想していたよりも貿易戦争の悪影響を受けていない」との楽観的な見方が広がっていました。

しかし、NY連銀製造業景気指数は明らかに貿易戦争の悪影響を受けていることから、経済指標が強弱入り混じる中で投資家は将来の先行き見通しを見極めていく必要があります。

さて、将来の先行き見通しが見極めにくい中、18~19日の日程でFOMC(米連邦公開市場委員会)の開催が予定されています。ここでは大方の予想通り「利下げの見送り」が決定されると思います。

そのため、投資家が今回のFOMCで注目する点は、FOMC後の記者会見でパウエル議長が「どのような道筋を示すのか」という点になってきます。

パウエル議長はかねてから「貿易摩擦の動向を注意深く監視しており、経済見通しが悪化した場合は利下げで対応する可能性がある」と利下げを示唆してきたので、利下げに対して前向きな発言が期待されています。

しかし、債券市場がリスクオフに動いている中で、投資家の期待に反して利下げに後ろ向きな発言があれば、市場参加者が動揺する可能性があり、FOMC後の値動きは荒くなることも予想されます。

グッドラック。

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