バフェット太郎です。

世界の投資家らは将来の不況を織り込むようにして資金を債券市場に移しています。

【米独英豪の10年債利回り推移】
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米国の10年債利回りは一時1.6%の大台を割り込むなど、三年ぶりの低水準まで落ち込みました。

安全資産である長期債に資金が流入すれば、利回りは低下(価格は上昇)しますが、短期債との利回り格差が縮小すれば、やがて経済に悪影響を及ぼします。

【米10年債利回り-米3ヶ月債利回りの推移】
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チャートは米10年債利回り-米3ヶ月債利回りの推移を表しています。現在の米10年債利回り1.72%に対して、米3ヶ月債利回り2.02%と、金利差は-0.30%とマイナスに陥っています。

通常、長短金利差はプラスで推移するものです。なぜなら、ざっくりと言えば長期金利とは銀行が企業や個人に融資する際の利息を意味する一方、短期金利は預金者の預け入れ金利を意味するからです。

たとえば、銀行は預金者から0.5%の利息でお金を預かり、それを企業や個人に利息3%で融資すれば、銀行は2.5%の利ザヤを稼ぐことができます。そのため、長短金利差がプラスで推移していれば銀行は積極的に企業や個人に融資することができるので、世の中にお金が出回り、景気が拡大します。

反対に長短金利差がマイナスに陥るということは、預金者から0.5%の利息でお金を預かり、それを企業や個人に利息0.3%で融資することを意味します。この時、0.2%のマイナスが発生しますから、銀行は融資するインセンティブがなくなり審査を厳しくします。すると、世の中にお金が出回らなくなるので景気は縮小するというわけです。

特に財務体質が脆弱で常に借り入れに頼るなど自転車操業でなんとか生き延びてきたような中小企業は、マイナス金利の局面で資金繰りが厳しくなって倒産するだけでなく、それが連鎖的に広がることで不況に発展します。

事実、過去三回のリセッション(景気後退)を振り返ると、リセッションの直前には必ず長短金利がマイナスに陥っていました。ちなみに、マイナス金利が本格化することで直ちにリセッション入りするというわけではなくて、一年程度の時間を要することを考えれば、強気相場はまだ続くと予想することができます。
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また、過去三回のリセッションはマイナス金利が本格化してからおよそ8~17カ月後にリセッション入りしていたため、19年5月を起点とすれば、今回のリセッション入りは「2020年1月~10月頃」となりそうです。

ただし、個人投資家はタイミングを正確に計ることができないことを考えれば、暴落を避けようとして大胆にポジションを動かすよりも、暴落に耐え得るリスクの低いポートフォリオをデザインし、ノイズ(短期的な株価や金利の変動)を無視して長期で運用した方が賢明です。

グッドラック。

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