バフェット太郎です。

アルゼンチン株ETFの「グローバル・X・MSCI・アルゼンチン・ETF(ARGT)」が前日比-24.43%安と大暴落しました。

【グローバル・X・MSCI・アルゼンチン・ETF(ARGT):日足】
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アルゼンチン株が暴落した主な要因は、アルゼンチン大統領選の予備選挙で、市場寄りの経済政策を進めてきた現職のマクリ大統領が、ポピュリストの野党候補に予想外の大差をつけられて二位になったためです。

ポピュリストの野党候補であるアルベルト・フェルナンデス元首相が大統領になれば、アルゼンチンが再び通貨や資本を統制する政策に回帰する可能性があるため、アルゼンチンペソが暴落し、それに伴い株式と債券も暴落(利回りは暴騰)するなどトリプル安となりました。

さて、個人投資家の中には高い経済成長率が期待できるという理由で新興国株に長期積立投資をしている人も少なくありません。しかし、老後に備えた資産形成を目的に超長期で運用することを前提とした場合、新興国株はあまり良い投資先とは言えません。

なぜなら、新興国株は為替と金利に大きく影響を受けるからです。

たとえば、1994年にメキシコ経済を通貨危機が襲ったわけですが、これは89年にFRB(米連邦準備制度理事会)が10%弱まで引き上げていた政策金利を92年までに3%に引き下げたことが起因しています。

当時、メキシコは低金利のドル建て債務を膨張させたのですが、FRBが94年に利上げに舵を切ると、投資マネーがメキシコから米国へと急速に流れてしまったのです。これは、投資マネーが金利が低いところから高いところへと流れる傾向があるためです。

また、金利がその後も高止まりしたこともあり、それがアジア通貨危機に発展しました。

結局のところ新興国の経済成長というのは、米国から莫大な投資を得ることで実現されるものの、新興国は内需が拡大するだけで外貨獲得手段を得るわけではないので、金利差拡大により通貨安が加速すればドル建て債務が膨張してデフォルト(債務不履行)リスクが高まってしまうのです。

ちなみに、新興国株ETFに組み込まれている中国や韓国など一部の国々はファーウェイやサムスン電子、現代自動車など外貨を獲得することができるグローバル企業を育てることに成功していますが、一国の経済を支えられるほど外貨を獲得できているわけではありません。

言い方を変えれば、先進国の人たちは新興国のハイテク機器や家電製品、自動車など欲しくないのです。

こうしたことから、新興国株は為替と金利の影響を大きく受けやすく、老後に備えた資産形成を目的とした超長期の資産形成には向かないのです。ただし、FRBによる利下げは新興国にとって追い風となり得るので、特定の期間に限って言えば、高い経済成長率が期待できる局面があることも事実です。

そうした局面で新興国株の恩恵を享受したい人は、全世界株式インデックスファンドに投資すれば良いですが、新興国株のみに積立投資しているクソダサい投資家は新興国がなぜ永遠に新興国のままなのかをもう少し冷静に考えた方が良いです。

グッドラック。

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