バフェット太郎です。

バフェット太郎は株価のバリュエーションを判断する際、過去三年の平均FCFPS(一株当たりのフリーキャッシュフロー)を株価で除した数値を参考にしたりします。

たとえば、コカ・コーラ(KO)の過去三年のFCFPSは1.4ドル、株価53.9ドルですから、期待利回りは2.6%と割高なバリュエーションだということがわかります。

そもそもフリーキャッシュフローとは純現金収支のことを指し、営業キャッシュフローから投資キャッシュフローを差し引いた値を示しています。

ただし、投資キャッシュフローの内訳には事業や有価証券を取得するための支出や、それらを売却した際の収入、あるいは有形固定資産取得のための支出やそれを売却した際の収入などが含まれ、その時々で大きく変動しやすいです。

そのため、バフェット太郎は有形固定資産取得のための支出のみを投資キャッシュフローとしてみなし、フリーキャッシュフローを計算しています。つまり、この場合のフリーキャッシュフローは「営業CF−投資支出(有形固定資産取得費用)」です。

とはいえ、過去一年だけを見ても変動が激しい場合があるので、過去三年の平均値をつかいFCFPSをならせば、より正確なバリュエーションを測ることができます。

さて、コカ・コーラの過去三年間の平均FCFPSは1.4ドル、株価53.9ドルですから、投資家は毎年1.4ドルを生み出すマネーマシンを53.9ドル支払って取得するわけです。これはFCFPSの38.5倍の値段であるため割高と言えます。

しかし、FCFPSが成長し続ければ、コカ・コーラ株は良い債券になり得るかもしれません。

たとえば、コカ・コーラのFCFPSが年平均5%で成長したと仮定した場合、10年後のFCFPSは2.3ドルになります。仮にFCFPSの30倍で取引された場合、株価は69ドルとなり、年平均2.5%の利回りが期待できます。

さらに投資家は毎年3%の配当を得ることができるので、コカ・コーラは5.5%の利回りが期待できる債券と捉えることができるわけです。これは米10年債利回りが1.7%程度であることを考えると比較的有利な投資だと言えます。

別の言い方をすれば、コカ・コーラ株は今、投資家らからグロース株として見られていると言えます。

このようにしてバフェット太郎はバリュエーションを判断したりします。ちなみに、バフェット太郎10種のそれぞれのFCFPSをもとにした期待利回りは以下の通りになります。

【バフェット太郎10種の期待利回り】
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バフェット太郎10種の中で最も期待利回りが低い銘柄、すなわち割高な銘柄はマクドナルド(MCD)で2.3%です。これは投資家がマクドナルドをグロース株と見ていると言えます。

一方で、最も期待利回りが高い銘柄、すなわち割安な銘柄はIBMで9.5%となっています。これは株価が暴落しているアルトリア・グループ(MO)やフィリップ・モリス・インターナショナル(PM)などのタバコ株よりもはるかに割安な水準で、投資家らは利益成長が期待できない債券のような株と見ていると言えます。

【IBMのFCFPS(過去三年平均)】
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IBMの過去三年のFCFPSは13.5ドル、株価141.9ドルですから、投資家は毎年13.5ドルを生み出すマネーマシンを141.9ドルで取得するわけです。これはFCFPSの10.5倍の値段であるため、比較的割安だと言えます。

このようにして、株式のバリュエーションを判断したりすることができるわけですが、すべての銘柄に応用できるわけではないので注意してください。

これは、業績が景気に影響されにくい生活必需品株やヘルスケア株などで応用が利く一方、業績が景気に大きく左右される資本財株や素材株、エネルギー株には不向きです。

ちなみに、FCFPSをもとにした期待利回りが特に高く、注目している銘柄は米百貨店最大手のメーシーズ(M)です。

【メーシーズ(M)のFCFPS(過去三年平均)】
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メーシーズの過去三年の平均FCFPSは3.5ドル、株価15.4ドル、期待利回り22.7%と驚異的なバリュエーションです。これは毎年3.5ドルを生み出すマネーマシンが15.4ドルで売られていることを意味します。ちなみに一株当たりの配当は1.51ドルですから、配当利回りは9.8%もあります。

【メーシーズのキャッシュフロー推移】
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メーシーズの業績は景気に大きく左右されやすいイメージがありますが、キャッシュフローの推移を眺めると、金融危機時も安定して黒字を確保していたことがわかります。

ただし、2008年1月期のEPSは-11.4ドルの赤字でした。これはのれん代の減損が発生したためです。また、翌年の一株当たりの配当は0.2ドルと前年の0.5275ドルから減配しました。

最近はアマゾンなどネット通販との競争激化により不採算店舗を閉鎖するなどして既存店売上高をテコ入れしているものの、株価は依然として低迷しています。

【メーシーズ(M)週足】
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メーシーズの株価は17年安値の15.52ドルを下回っていることから、下値をさらに切り下げる可能性があります。しかし、安定したキャッシュフローが期待できることや配当利回りが高いことを考えると、投資妙味があると言えます。

グッドラック。

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