バフェット太郎です。

共用オフィスのウォーワークが孫正義氏率いる投資会社ソフトバンク・グループに致命傷を与えかねません。

かねてからソフトバンク・グループと傘下投資ファンドのビジョン・ファンドは、ウィーワークに106億5000万ドル(約1兆1400億円)出資しており、約29%を持つ筆頭株主になっているわけですが、IPO(新規株式公開)がとん挫したことで、ウィーワークの資金が枯渇しつつあるなど最悪の事態になりかねません。

資金不足を背景に、ウィーワークは大規模なリストラを実施する資金を確保するため、ソフトバンク・グループから10億ドルの追加出資を求めて交渉しており、交渉が成立すれば、次はJPモルガン・チェースと30億ドルの融資確保に向けて交渉するそうです。

サンフォード・C・バーンスタインのアナリストによれば、ウォーワークは四半期毎に7億ドルもの現金が燃焼すると予想しており、手元資金が6月末時点で25億ドルしかないことを考えれば、2020年第1四半期以降に資金が枯渇するとみられています。

そのため、ウィーワークはなにがなんでも資金を確保する必要があるわけですが、ウィーワークは18年に16億ドルの赤字を計上しているため、出資する側からすれば、ナンピン地獄に陥るリスクが高まるだけです。

また、そもそもウィーワークはこれからどうやって多額の投資に見合うだけの利益を上げていくのかが不透明です。加えて、同社の売上高成長率はリストラなどで人材への投資が抑制されれば悪化しかねません。

さらに、ウィーワークの最大の武器は「カッコいいオフィス」であるわけですが、これが「チャラチャラしてるだけで野心も熱意もないガキの溜まり場」といったような、クソダサいイメージがついてしまえば、顧客が流出しかねません。
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こうしたことを背景に、ウィーワークの企業価値は当初JPモルガンが460億~630億ドル、ゴールドマン・サックスが610億~930億ドル、モルガン・スタンレーは430億~1040億ドル、ソフトバンク470億ドルと試算していたものの、直近の評価額は100億~120億ドルが予想されています。

もちろん、これが大底である保障はなく、ここからさらに評価額が値下がりする可能性もあります。すると、ソフトバンクがウィーワーク以外にも投資しているユニコーン企業や新興企業の評価額も連れ安となる公算が大きいです。

そもそも、孫正義氏はなにも百戦錬磨の天才投資家ではありません。これまで何度も何度も失敗してきて、そうした中で成功した数少ない例がヤフージャパンであり、ボーダフォンであり、アリババであるわけです。

また、ユニコーン企業やIPO株のバリュエーションは非常にブレやすいため、ウィーワークのように当初の評価額に信ぴょう性などないのです。そのため、孫正義氏がいくら「ソフトバンクは時価総額が10兆円しかないが、ユニコーン企業の価値を含めれば21兆円ある。だから割安だ!」といったところで、ウィーワークのようにIPOできなければ意味がありませんし、仮にIPOできたとしても、その後株価がゴミクズになる場合だってあるのです。(もちろん、ゴミは短期的に見ても長期的に見てもゴミです。)

従って、「あの孫正義氏が目をつけたんだから失敗するはずがない」なんて言っているのは情弱だけです。彼らには生き残った一部の企業(ボーダフォンやアリババなど)しか見えておらず、淘汰された多くの失敗が見えていないのです。

【ソフトバンク・グループ】
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ソフトバンクの株価は直近の高値5885円からすでに29%も値下がりしていますが、今後は3547円をターゲットにさらに値下がりすることが予想されます。また、この水準を割り込めば、2016年の安値2451円がターゲットになります。これは、直近の高値から-58%を意味します。

もちろん、底値をつけたからと言ってそこから大きく反発する保障などどこにもありません。その後、ゴミのようなユニコーン企業が足枷となってズルズル低迷する可能性だってあるため、ソフトバンクにバイ&ホールドを前提とした投資をすれば、めでたく凍死家になる公算が大きいです。

グッドラック。

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