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バフェット太郎です。

「シゴトも人生も、もっと楽しもう。」の新R25によれば、大和証券投資信託委託株式会社(以下大和証券)が「iFreeレバレッジNASDAQ100」というクソ商品を開発したとのこと。

「老後資金2000万円不足問題」が叫ばれる中、多くの国民にとって資産運用はそれを解決してくれる方策になり得るわけですが、間違った資産運用を続ければ取り返しのつかない失敗になりかねません。

とりわけ資産運用は時間をかけてコツコツとやるものなので、50代、60代になってから気づいてももう遅いのです。

さて、大和証券は老後資金の備えとして「iFreeレバレッジS&P500」と「iFreeレバレッジNASDAQ100」への積立投資を推奨しているわけですが、ハッキリ言ってレバレッジは積立投資に不向きであることから、これで資産形成をすることはできません。

大和証券の熊原氏によれば、米国株が過去100年以上長期で上昇し続けてきたことから、「米国株に投資しない理由はない」とし、「レバレッジ型であれば普通のサラリーマンでも、億万長者になることは夢じゃない」とのこと。

たしかに米国株は年平均6~7%の利回りで成長しており、著名投資家ウォーレン・バフェット氏をはじめ、多くの投資家が米国株への長期投資を推奨しています。しかし、これにレバレッジを掛けるというのは全く別の話です。

なぜなら、レバレッジをかけても単純に二倍儲かるというわけではないからです。
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事実、過去30年のシミュレーションを眺めると、S&P500に毎月3万円の積立投資をした場合、最終的に5137万円になったのに対して、S&P500(レバレッジ2倍)は5910と、15%しか上回っていません。

一方でナスダック100(レバレッジ2倍)に投資した場合は約2億5000万円と、レバレッジを掛けなかった場合に比べて、およそ2.5倍も成績が良かったです。

なぜ、このようなことが起こるのかと言えば、レバレッジ型は横ばいや下落に弱い一方、上昇には強い傾向にあるからです。

たとえば、100を起点とした場合、10%上昇すれば110になり、その後10%下落すれば99になります。しかし、これに2倍のレバレッジを掛けると、20%上昇すれば120となりますが、その後20%下落すると96になり、3ポイント下回ってしまうのです。

そのため、レバレッジ型インデックスファンドは上昇が続くという前提でなければならないのです。そしてそのような「幸運な時代」が今後30年続く保障はどこにもありません。

【ナスダック総合指数】
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過去20年を振り返ると、ナスダック総合指数は01年のドットコムバブル崩壊と08年の金融危機で二度大暴落しています。そしてその下落率はそれぞれ-78.4%、-55.8%です。つまり、二倍のレバレッジを掛けると、特定の局面で資産評価額がほとんどゼロになる時期があるということです。

さらに、これがいつの時点で訪れるのかは誰にもわからないことも問題です。過去を振り返ると10年に一度のペースで大暴落があったことを考えると、投資家が50歳から60歳までのいずれかの時点で資産評価額のほとんどをゼロにする可能性があるということです。(これに耐えられる人います?)

そこで、大和証券は「毎日積立」を提案しています。暴落局面で積立投資することでその後の強気相場で大きな値上がり益を生んでくれるというわけです。

しかし、これも机上の空論です。

そもそも、投資の世界では投資家のリスク許容度は自分が思っているよりもずっと小さいことで知られていて、大抵10~20%も下落すると多くの投資家は狼狽売りに走るものです。

なぜ、10~20%の暴落に耐えることができないかと言えば、そうした調整局面では将来30~50%の値下がりが予想されるため、多くの投資家は「今のうちに売って、安値で買い戻した方が賢い」と考えるからです。

また、当然ですけれどもそうした局面で「毎日積立」もできません。なぜなら「さらに値下がりするのを待てば良い」と考えるようになるからです。加えて、暴落局面で自分がこれまで積み上げてきた資産が溶けていく様を毎日見ることなど耐えられませんし、まして積立投資など到底不可能なのです。

結果、「大底」という絶好の買い場であり、最も大きな値上がり益を生んでくれるタイミングを買い逃すので、シミュレーションのような爆益は得られないのです。

仮に、”それ”ができる投資家がいるとしても、それはごく一握りの投資家であり、99.9%の投資家には不可能なので、老後に備えた資産形成のやり方としては相応しくありません。

というわけで、資産の大半を「レバレッジNASDAQ100」に投資している大和証券の熊原氏は、米国株の強気相場が続く中で資産を大きく増やす可能性があるものの、いずれ訪れる大暴落で資産のほとんどゼロにする公算が大きいです。

グッドラック。

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