バフェット太郎です。

米タバコ最大手のアルトリア・グループ(MO)が第3四半期決算を発表しました。内容は悪かったです。

EPSは予想1.02ドルに対して、結果1.02ドルと予想に一致しました。

売上高は予想48億8000万ドルに対して、結果48億ドルと予想を下回りました。

2020年~2022年のEPS成長目標は旧ガイダンス+5~8%に対して、新ガイダンス+4~7%と下方修正されました。長期成長目標が下方修正されるのはこれで2四半期連続です。

長期成長目標が引き下げられた主な要因は、今後3年間にわたってジュールが利益に貢献することはないと予測しているためです。

2020年の通期EPS見通しは予想4.44ドルに対して、新ガイダンス4.39~4.51ドルが提示されました。

アルトリア・グループが128億ドルで出資した電子タバコ「ジュール」で41億ドルの減損損失が計上されました。第3四半期にも46億ドルの減損損失を計上していますから、これで計87億ドルの減損となり、ジュールの企業価値は当初の128億ドルの価値から約42億ドルとおよそ三分の一に減少しました。

【部門別売上高構成比】
3
アルトリア・グループは「紙巻タバコ・葉巻」「電子タバコ」「ワイン」の三つの部門で成り立っており、「紙巻タバコ・葉巻」が全体の84%を占めています。

【営業利益構成比】
4
営業利益構成比を眺めても、「紙巻タバコ・葉巻」が全体の84%を占めていることに変わりはなく、電子タバコや加熱式タバコなど新しいタイプのタバコが注目されているものの、依然として伝統的な紙巻きタバコが重要であることがわかります。

【部門別成長率(前年比)】
5
「紙巻タバコ・葉巻」の売上高は-0.5%と減収、営業利益は+10.1%の増益、販売数量は-8.4%の減少でした。

なぜ、タバコの販売数量が落ち込む中で営業利益が二桁増などという摩訶不思議なことが起こるのかと言えば、タバコの販売価格を値上げしていることに加えてコスト削減をしているからにほかなりません。

通常、商品やサービスの値上げは顧客離反に繋がるので多くの企業は値上げに躊躇します。しかし、タバコには依存症の原因となる「ニコチン」が含まれているので、客離れが起きにくいのです。

結果、値上げとコスト削減を組み合わせることで、タバコ離れが加速する中でも営業利益の二桁増を達成することができるのです。

【アルトリア・グループ(週足)】
2
さて、アルトリア・グループの週足チャートを眺めると、弱気のトレンドチャネルを形成していることがわかります。電子タバコ「ジュール」や加熱式タバコの「アイコス」が利益にしばらく貢献することがないことを考えると、株価はしばらく低迷する公算が大きいです

【アルトリア・グループ(MO)】
6
ただし、アルトリア・グループは永続的で安定したキャッシュフローが期待できるので、投資家は配当を再投資し続けて株数を増やすことで着実に資産を増やし続けることができます。とりわけ、株安に伴う配当利回りの上昇は配当再投資を実践している投資家に絶好のチャンスとなり得ます。

グッドラック。


 
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