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バフェット太郎です。

米国株式市場が調整局面を迎えようとしており、投資資金が金市場に逃避しています。

21日のNYダウ株式市場は前日比-227.57ドル(-0.78%)安の2万8992.41ドル、S&P500種指数は-35.48ポイント(-1.05%)安の3337.75ポイントと値下がりした一方、安全資産とされる金先物価格は+25.45ドル(+1.57%)高の1645.95ドルと急伸しました。

【S&P500種指数:週足】
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S&P500種指数がこれまで急ピッチで上昇してきたことを考えれば調整局面は必然です。ターゲットは50週移動平均線の3022ポイント、さらにそれを割り込むようなら2628ポイントがターゲットになり、下げ幅は直近の高値3394ポイントからそれぞれ-11.0%、-22.6%となります。

株式市場から流出した投資マネーは、債券市場や金市場に流入することが予想されています。ただし、長期債利回りは歴史的な低水準まで落ち込んでいるため、長期債への流入は限定的になるかもしれません。

【米10年債利回り:1990-2020】
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米10年債利回りは2016年に1.37%まで下落(価格は上昇)し、その後一時3.24%まで上昇する局面があったものの、再び1.46%まで下落しています。つまり、歴史的に見ればここからさらに下落することは考えにくいのです。一方で米2年債利回りには下落余地が十分に残されています。

【米2年債利回り:1990-2020】
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米2年債利回りは1.34%と、2013年の0.20%と比較すると下落余地が十分に残されていることがわかります。つまり、今後長短金利差が拡大することが予想されます。そしてそれは米経済のリセッションを意味します。

【米長短金利差:1987-2020】
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チャートは米長短金利差(=米10年債利回り-米2年債利回り)の推移を表しています。今後、米10年債利回りが下落しない一方で米2年債利回りだけが下落すれば金利差は上昇します。

過去3回のリセッションを振り返ると、いずれも長短金利差の大暴騰直後に起きていたことを考えると、長短金利差を注視しつつ、仮に金利差が拡大するようならリセッションを覚悟した方が良さそうです。

さて、こうした中で買いシグナルが出ているのが安全資産となる金です。

【金先物価格:週足】
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金先物価格の週足チャートを眺めると、2015年から始まる強気のトレンドチャネルを上にブレイクアウトし、2012年の高値1798.10ドルをターゲットに上昇していることがわかります。この水準をブレイクアウトすれば、次は史上最高値の1923.70ドルがターゲットになるわけですが、そこが天井となるわけではありません。

【金先物価格:1990-2020】
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金先物価格の30年チャートを眺めると強気のトレンドチャネルを形成し、さらに、「カップウィズハンドル」を形成しつつあることがわかります。これは、ティーカップのようなカタチからその名が付いたチャートパターンなのですが、1923ドルの最高値付近まで到達したら、一時的な利食いと調整を経て、再び最高値をトライし、そのネックラインを上にブレイクアウトすれば、カップの幅だけ上昇が期待できるというものです。そのため、3540ドル水準が未来のターゲットになり得ます。

ただし、金鉱株はレバレッジ効果が期待できるので、金価格よりも大きな値上がり益が期待できます。

【金鉱山会社のレバレッジ効果】
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上のグラフは金価格を三つの変数に分けて金鉱山会社の利益を比較したものになります。

たとえば、金価格が1000ドル、採掘コストが900ドルの場合、金鉱山会社の利益は100ドルになります。しかし、金価格が1.5倍の1500ドルに値上がりすれば、採掘コストが900ドルと同じなら、金鉱山会社の利益は600ドルと6倍に増加します。 さらに金価格が3000ドルまで上昇すれば、採掘コストを900ドルとした場合、利益は2100ドルと、利益は21倍にも増えるわけです。

つまり、金価格が1000ドルから3000ドルと3倍に値上がりする一方、金鉱株の利益は21倍にもなるため、大きな値上がり益が期待できるというわけです。

米国株の強気相場がいつまで続くかはわかりませんが、世界の投資家たちは少しずつリセッションに備え始めているように見えます。

グッドラック。
 




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