世界経済の不況は絶好の買い場か

バフェット太郎です。

日本経済新聞によれば、IMF(国際通貨域金)が2020年の世界経済の成長率予測を従来の3.3%から2%台に引き下げる方向に動いているとのこと。

新型コロナウイルスの感染拡大によって、「2019年の2.9%を大きく下回る」とし、金融危機直後の2009年以来11年ぶりの低成長となる見込みです。

【世界の実質GDP成長率】
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通常、世界の実質GDP成長率は3.0%に届かなければ危険のサインとされ、2.5%を下回れば「不況」を意味します。

過去30年を振り返ると、2.5%以下だった年は湾岸戦争が勃発した1991年~1993年(2.2~2.5%)と、ドットコムバブルが崩壊した2001年(2.5%)、そして100年に一度の金融危機直後の2009年(0.0%)だけでした。

そのため、仮に世界の実質GDP成長率が2.5%以下であれば、世界経済は新型コロナウイルスの感染拡大によって歴史的な不況に直面することになります。

しかし、見方を変えれば世界経済の不況は絶好の投資機会だと言えます。

【ダウ平均:1990-2020】
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ダウ平均の30年チャートに世界の実質GDP成長率が2.5%以下だった年を重ねると、その年が絶好の買い場だったことがわかります。つまり、世界経済の成長率2.5%以下は”買い”のシグナルと言えます。

湾岸戦争は絶好の買い場だった

とはいえ、多くの投資家はそれができませんでした。なぜ絶好の買い場を逃してしまったのかを歴史とともに振り返ると、なるほど投資とはなかなかどうして難しいものだということがわかります。

たとえば、湾岸戦争は1990年8月にイラク軍がクウェートに侵攻したことをきっかけに、1991年に始まった戦争であるわけですが、戦争が勃発した1991年時点ではすでに株価は底打ちし大きく上昇していました。

【ダウ平均:1990-1997】
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そのため、1991年という年は多くの投資家からすれば値ごろ感のない中で世界経済は不況を迎えたわけです。先行き見通しが悪かったことに加えて、1990年と比べると値ごろ感がないのだから、株を買うのはもう少し待ってからにしようと考えるのは自然なことです。

事実、1994年にはメキシコで通貨危機が起きて1997年にはそれがアジア通貨危機に発展したので、先行き見通しが悪いから投資を控えるというのは、意見として間違っていないことになります。

しかし、世界経済の行方とは反対に米国株はズンズンと上昇していき、アジア通貨危機があった1997年末の終値は7908ドルと、1991年の3000ドルから160%も値上がりしました。

つまり、多くの投資家は悲観の中で史上最高値を更新する米国株をひたすら買い増しするだけで良かったというわけです。反対に、いつまで経っても投資を始めなかった愚鈍な投資家は結局大きな値上がり益を得られないという機会損失を被ることになったわけです。

ドットコムバブル崩壊も絶好の買い場だった

【ダウ平均:1998-2003】
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また、ドットコムバブルの崩壊とアメリカ同時多発テロ事件が起きた2001年、世界経済は不況入りし、ダウ平均が最大29%値下がりするなかで、多くの投資家は買い向かうことができませんでした。

実際、株価は一時的に持ち直す場面もありましたが、翌年再び下落に転じると、結局最大で32.6%も暴落したことを考えると、2001年に買い控えた投資家は正しかったように思えます。しかし、その後株価は力強く反発し、一年もしないうちに1万ドルの大台に乗せたことを考えると、絶好の投資機会を逃したのは否めません。

当時、ハイテク株が80~90%安のボコボコに売られたほか、イラク戦争勃発が懸念されていたので誰も買い向かうことができなかったのです。ただし、1991年の湾岸戦争の時もそうですが、株価の底は戦争の直前であり、一度戦争がはじまると株価は大きく上昇する傾向にあるようです。

そのため、仮に今後米国がどこかと戦争の兆候があり値を下げていたら、その時が買い向かう絶好のタイミングと言えるかもしれません。

金融危機もやっぱり最高の買い場だった

【ダウ平均:2005-2010】
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最期に金融危機直後の2009年を振り返ろうと思います。当時、ドルと資本主義の終焉が囁かれており、金融株が大暴落しました。

2001年のドットコムバブル崩壊時にハイテク株が軒並み80~90%暴落したように、2008年の金融危機では銀行株が80~90%安と大暴落したのです。

当時、ダウ平均は5000ドル、最悪の場合2000ドルまで暴落すると言われていたので、誰も6000ドル台で買い向かうことなどできなかったのです。どうせ値下がりするなら5000ドルまで待っていた方が賢明だと考えたからです。

また、世界経済はここから5年停滞すると言われていたので、急いで買い向かわなくても買い場はいくらでもあると考えていた人たちも大勢いました。

実際、その後欧州債務危機が世界経済の新たなリスクになりましたし、新興国株はその後10年低迷したことを考えると、世界経済が5年停滞するという考えは正しかったです。

しかし、2010年を最後にダウ平均が1万ドルの大台に乗せると、その後株価は史上最高値を更新し続けて、2020年にはついに2万9000ドルに到達したことを考えると、世界経済が停滞することを的中させて「買い」を見送った投資家は皮肉にも大きな機会損失を被ることになりました。

まとめ

このように、投資家はある程度正しく予測してきたものの、絶好の投資機会を見す見す見逃してきたことを考えれば、世界が不況入りしたと同時に積極的に買い向かった方が良いと言えそうです。

2020年は新型コロナウイルスの感染拡大により中国の製造業や日本の観光業が壊滅的な打撃を受けているほか、中東や欧州にも波及しつつあることを考えれば、世界経済が不況入りする公算が大きく、2020年は絶好の買い場になりそうです。

グッドラック。



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