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バフェット太郎です。

世界の株式市場に「黒い白鳥」が突如現れたことで、「灰色のサイ」が暴れ出すかもしれません。

これはどういうことかと言うと、「新型コロナウイルスをきっかけに、これまで忘れ去られていた大きな問題が再燃するリスクが高まっている」ということです。

そもそも、「ブラック・スワン(黒い白鳥)」というのは、従来の常識や知識、経験からかけ離れた、予測できない極端な現象や事象のことを指します。

ヨーロッパで白鳥は白い鳥だけだと思われていましたが、1697年にオーストラリアで黒い白鳥が発見されると、それ以来「あり得ないこと」が起こった時に使われるようになりました。

また、元ヘッジファンド運用者で認識論学者のナシーム・ニコラス・タレブ氏が著書の中で、確率論や従来の常識では考えられないことが起き、それが人々に大きな影響を与えることを総称して「ブラック・スワン理論」と名付けました。

つまり、「ブラック・スワン」とは「あり得ない出来事」という意味であり、今回、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が「ブラック・スワン」を指します。

そして、このブラック・スワンが突如現れたことで、これまで眠っていた「灰色のサイ」が目を覚まし、暴れ出すかもしれないのです。

「灰色のサイ(グレー・リノ)」とは、米国の作家で政策アナリストでもあるミシェル・ウッカー氏が2013年のダボス会議で提起した言葉で、誰もがその存在を知りつつも、これまで見て見ぬふりをしていた大きな問題が突如リスク要因になることを意味します。

たとえば、バブルや債務の膨張、そして地域紛争などがそれです。これらの問題は適温相場が続く中で忘れ去られていきますが、問題そのものが解決したわけではないので、何かをきっかけにその問題が再燃するリスクがあります。

つまり、「グレー・リノ」とは「忘れ去られていた大きな問題」を指します。

では、今回の「忘れ去られていた大きな問題」とはいったい何を指すのでしょうか。

結論から言えば、「世界の中央銀行による金融緩和政策の限界」です。たとえば、FRB(米連邦準備制度理事会)は将来のリセッションに備えて金利を引き上げるどころか、逆に大幅に引き下げているため手詰まり感が見えています。
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本来、FRBは政策金利を引き上げたり引き下げたりすることで景気をコントロールしなければなりません。たとえば、金利が低下すれば企業や個人は借り入れ負担が小さくなるので、設備投資や住宅投資に積極的になります。設備投資や住宅投資が増えれば、それに必要な素材が売れるほか労働市場も潤い、労働者は消費を拡大させるので、景気がさらに上向きます。

すると、多くの人々は「それならFRBは低金利を維持するだけで良いのでは?」と思うかもしれません。しかし、低金利が続けば、人々は過剰なリスクを取るようになります。たとえば、住宅を購入する際、自分が住む分だけでなく、投資用として2~3件余分に購入するようになります。

景気拡大期とはそれが儲かる財テクとなり得ますが、行き過ぎればバブルとなり将来のリスクを高めるため、ガス抜きが必要になります。つまり、FRBは金利を引き上げて投資をしにくくするのです。それが利上げです。

景気拡大期の時に利上げをしておけば、景気後退期で利下げをする余地が十分あるので、景気のテコ入れがしやすくなります。

しかし、現在の政策金利が1.00~1.25%しかないことを考えれば、将来多くても四回(一回当たり0.25%)しか利下げすることができません。

ちなみに、3月3日の臨時のFOMC(連邦公開市場委員会)で二回分に当たる0.5%の利下げしたことに加えて、3月18日のFOMCではさらに0.5%の利下げが確実視されていることを考えると、残り二回しか利下げする余地がなくなります。

これ以上の利下げは「マイナス金利政策」を導入するしかありませんが、技術的には可能であるもののの、金融機関の経営に打撃となるのでFRBはそれを回避したいと考えています。

そのひとつとしてECB(欧州中央銀行)が実施している「資産購入プログラム」が挙げられるわけですが、これは連邦法の改正が必要になるので直ちに実施することはできません。

また、これは機関債や社債を買い続けてバランスシートを膨張させ、将来の景気拡大局面で売却しなければならないので、問題の先送りに他なりません。しかも、それが成功する保証もありません。

このように「忘れ去られていた大きな問題」をFRBはさらに大きくして先送りしようとしています。これは短期的に見ればバブルを誘発するので「中央銀行による金融政策の限界」として、世界のリスクになり得ます。

グッドラック。



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