バフェット太郎です。

日本経済新聞に「海外客半減なら経常赤字 東南ア、観光立国にもろさ」との記事。

記事によれば、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が、観光大国の新興国経済に大きな打撃を与えているとのこと。

日本では主に京都や北海道など、中国や欧州からの外国人観光客が激減したことで、飲食店やホテルが経営危機に瀕していますが、同じように外国人観光客で潤っていた東南アジアも、外国人観光客が激減したことで打撃を受けています。

東南アジアが外貨を稼ぐ手段は、主に「電子部品・機器」で約3800億ドルあり、次いで「旅行・輸送サービス」が2200億ドルと続いています。これは「石炭・石油」の1600億ドルよりも大きく、東南アジアにとって重要な「資源」になっていることがわかります。ちなみに、「自動車・部品」は500億ドル程度と、「旅行・サービス」の四分の一程度しかありません。

仮に、2020年の外国人観光客が2018年度比で半減すると、多くの東南アジアが経常赤字に陥り、とりわけタイやインドネシアが最も大きな打撃を受けます。
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(出所:「日本経済新聞」)

新型コロナウイルスの感染拡大が東南アジアに大きな打撃を与えるとの悲観的な見方から、各国の株式が軒並み大暴落しています。

【iシェアーズMSCIタイETF(THD):日足】
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タイ株ETF(THD)は直近の高値から-43.0%と大暴落しています。

【iシェアーズMSCIインドネシアETF(EIDO):日足】
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インドネシア株ETF(EIDO)も-37.4%と大暴落しています。

【iシェアーズMSCIマレーシアETF(EWM):日足】
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マレーシア株ETF(EWM)は-25.9%です。

【ヴァンエック・ベクトル・ベトナムETF(VNM):日足】
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ベトナム株ETF(VNM)は-35.6%です。

これらの国々は株安のほか通貨安も加速したため、ドル建て債務が膨張し、政府と企業のデフォルトリスクが高まっています。そのため、債券利回りも急騰(価格は下落)し、「トリプル安」の様相を呈しています。

新型コロナウイルスの感染拡大を巡って、ヒトとモノの移動が制限されていることから、世界は同時不況に突入することはほぼ確実です。こうした中、世界中で節約志向が高まれば家計の見直しで真っ先に「旅行・レジャー費」が削られます。さらに、製造業の受注が落ち込むことも必然ですから、新興国経済はここからさらに売り込まれることが予想されます。

しかし、新型コロナウイルスはあくまで一過性の出来事であり、永遠に続く問題ではありません。そのため、今回の件でボコボコに売り込まれている局面こそ、新興国株投資を始める絶好の機会だとも言えるのです。

【iシェアーズMSCI新興国株ETF(EEM):1996-2020】
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過去24年を振り返ると、新興国株の弱気相場は今回を除けば8回あり、その下落率は最小‐25.0%、最大-66.6%で、平均-38.8%でした。今回の下落率は未だ-29.0%であることから、もう一段下げることが予想されます。

とりわけ、世界同時不況や経常赤字はこれまでのような弱気相場よりも打撃が大きくなることが予想されるため、40%以上の暴落を覚悟した方が良いと思います。

ただし、前述した通り、新型コロナウイルスの感染拡大はいずれ収束することが予想されますし、今回の件でサプライチェーン(製造業における供給網)が大きく乱れたことで、世界のグローバル企業が中国以外のアジア諸国に製造拠点を分散化させる流れが加速することが予想されるため、悲観的になる必要はありません。

2003年のSARSが新興国株の大底だったように、今回のコロナショックが新興国株の大底となるかもしれません。そのため、2020年は新興国株投資をはじめる絶好の投資機会になり得るため、投資家は注意深く見ておいた方が良いです。

グッドラック。

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