バフェット太郎です。

孫正義氏率いる投資会社ソフトバンク・グループ(9984)が、最大4兆5000億円の資産を売却し、調達した資金で最大2兆円の自社株買いや負債削減に使うことを発表したことで、株価が大暴騰しています。

【ソフトバンク・グループ(9984)】
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ソフトバンク・グループが大型自社株買いを発表すると、株価は二日連続で大暴騰し、19日の終値2687円から3791円と、二日で41.1%高となりました。

【ソフトバンク・グループの保有株式価値と株主価値:2019年第3四半期】
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孫正義氏はかねてから保有株式価値から純有利子負債を差し引いた「株主価値」が25兆円あることから、「12兆円の時価総額は割安だ」と主張してきました。

しかし、今回の資産売却ではアリババなどの保有株式を対象に売却すると見られていて、保有株式価値の減少が予想されます。その一方で、自社株買いをして一株当たりの価値を高めるわけですから、時価総額が上昇することで、株主価値に対する大幅なディスカウントが解消することが期待できます。

そもそも「自社株買い」というのは、市場に出回っている自社株を自社で買い取り、それを消却することで、市場に出回っている残りの一株当たりの価値を高めるというものです。

通常、「自社株買い」とは「配当」と同じで稼いだ利益を株主に還元する株主還元策となるのですが、こうした株主還元策を実施する企業というのは、事業の成長性が乏しい成熟した企業である場合が多いです。

そのため、これまで成長を重視してきたソフトバンク・グループが大規模な自社株買いを実施するのは、孫氏が本来望んでいたものではありません。

では、なぜ自社株買いに迫られているのかと言うと、孫氏はソフトバンク・グループの株を担保に銀行から資金を融資してもらっているのですが、ソフトバンク・グループの株価暴落に伴い、マージンコール(つまり追証)が掛かかる可能性が高まっているからです。

追証(追加保証金)とは、担保の差し入れが必要となる状況を意味するので、孫氏は資金の融資を継続するために追加の保証金を預け入れる必要があるのです。

とりわけ、先日、財務が脆弱であることを理由に米格付け会社S&Pグローバル・レーティングから格付けを引き下げられており、一段と株安が加速する可能性が高まっていました。

そのため、アリババなどの保有株を売りたくなくても売らざるを得なくなっているわけです。

【アリババ・グループ・ホールディングス(BABA)】
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新型コロナウイルスの感染拡大を巡る世界同時株安を受けて、アリババの株価は184ドルと、ピークの231ドルから20%下落しており、売りのタイミングとしては決して良いとは言えません。

つまり、孫氏は自身のリスク許容度を超えた投資を続けた結果、アリババ株を売りたくなくても売らざるを得なくなってしまったのです。

これは、何も孫氏だけに言えることではありません。たとえば、個人投資家の中にも株などの信用取引による損失を埋めるために、本来売りたくない別の株式を売らざるを得なくなってしまった人も少なくないのです。

彼らは強気相場が永遠に続くと錯覚し、チャンスは今しかないと考え、自身のリスク許容度をはるかに超える投機に走ったのです。

このように、ソッコーでお金持ちになりたいと考えて、リスクを過小評価する投資家には平等に困難が訪れるものです。しかし、賢明な投資家は自身のリスク許容度の範囲内で堅実に運用しますから、優良株を二束三文で売らざるを得ないなどということは起こりにくいのです。

ソフトバンク・グループが大型の自社株買いと負債の削減を決定したことで、株主価値に対するディスカウントが幾分解消されることが期待できますが、同時に将来の成長性を犠牲にする結果となったことを考えると、株主は手放しで喜べることではありません。

グッドラック。

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