バフェット太郎です。

著名投資家ウォーレン・バフェット氏がバークシャー・ハザウェイ(BRK.B)で年次株主総会を開き、「新型コロナウイルスによって世界は変わる」とし、航空大手4社の株をすべて売却したことを明らかにしました。

バフェットはデルタ航空、アメリカン航空、ユナイテッド航空、サウスウエスト航空の4社の大株主であり、コロナショックで株価が大暴落した2月には、デルタ株を買い増すなど、航空株の長期的な見通しに楽観的な見方をしていました。

しかし、「(買い増しは)間違いだった」とし、航空業界について「外出制限が人々の行動に与える影響は分からない」とし、「3~4年後に、昨年までのように飛行機に乗るようになるのか見通せない」と悲観的な見方に転じました。

バフェットはかねてから「目先の株価は重要ではない。大切なことはその企業が5年後10年後どうなっているかだ」と述べていたことから、コロナ後の世界に対しての見通しを大幅に変えたことが考えられます。

また、バフェットは原油市場の先行きについて「当時は魅力的な投資先だったが…」と見通しを誤ったことも釈明しました。

バークシャーは米石油開発大手オキシデンタル石油(OXY)の優先株に100億ドル投資したのですが、その後原油価格が大暴落したことで配当を現金で受け取れなくなり、その代わりに株式の割り当てに変更されてしまいました。

さらに、手元資金の使いに道についても投資先が見つかっていないようで、2020年3月末の現金同等物の総額は1370億ドル(14兆6000億ドル)と過去最高に達しています。

バフェットは大型のM&Aを虎視眈々と狙っていますが、投資ファンドの攻勢で買収価格が引き上がるなどしたことで「魅力的な投資先がない」としました。

ただし、バフェットは「歴史を振り返れば米国はいくつも危機を乗り越えて来た」とし、「何事も米国の成長を止めることはできない」と米国株に強気の姿勢を崩しませんでした。

さて、投資家の中にはバフェットが航空株を狼狽売りにしたことに対して、パニックになっている人も少なくないと思います。バフェットが買ったからと言う理由で航空株を買ったのなら、バフェットが売ったなら自分自身も失敗を認めて売らざるを得ないからです。

とはいえ、間違いを犯さない投資家などどこにもいないことを考えれば、失敗は失敗と受け止めるべきかもしれません。もちろん、バフェットは過去にディズニーやマクドナルド、ウォルマートなどへの投資から撤退した後、株価が急騰するなどの失敗を何度も犯していたことを考えると、航空株からの撤退ももしかすると間違いかもしれませんが。

いずれにせよ、将来を見通すことなど誰にもできないことを考えれば、十分な分散投資と自身のリスク許容度の範囲内で堅実に運用する必要があります。

また、個別銘柄に投資することで一喜一憂したくなければ、バフェットが推奨するように「S&P500インデックスファンド」に投資することがマシと言えるかもしれません。

しかし、2000年代に米国株のパフォーマンスが新興国株に比べて大幅にアンダーパフォームし続けたことから、S&P500インデックスファンドへの長期投資を続けられる人がいなかったことを考えると、それができる人もほとんどいないかもしれませんが。

グッドラック。

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