バフェット太郎です。

アルゼンチンが6年ぶり9度目のデフォルト(債務不履行)が確定しました。3月にはレバノンが12億ドルの債務返済ができず、同国初のデフォルトとなったほか、エクアドルも国債の利払いを8月まで止めると発表し、事実上のデフォルト状態であるなど、2020年以降、新興国が相次いでデフォルトに陥っています。

アルゼンチンを巡っては、19年12月に発足したフェルナンデス政権が債務の不払いを宣言していたことから、事実上のデフォルト状態に陥っていました。しかし、その後もアルゼンチン政府と債権者団が債務再編を巡り協議していましたが、結局折り合いつけることができずに交渉期限を迎えてしまいました。

アルゼンチンはマクリ前政権が2017円に表面利率7.125%の100年債を発行するなどして高利回りで投資家を引き付けてきましたが、通貨の暴落と高インフレで19年まで2年連続のマイナス成長に陥ったほか、干ばつの被害によって農業が大打撃を受けました。

さらに、20年になると新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を受けて製造業や商業が壊滅的な打撃を被ったほか、原油先物価格の大暴落を受けてシェールガス開発で外貨を獲得するという手段も途絶えました。

つまり、アルゼンチンにとって大幅な債務減免以外に経済再建の道が残されていなかったわけです。ちなみに、政府案というのは利払い総額を6割減らした上で、3年間は支払いを「ゼロ」にするというもので、投資家からすれば到底受け入れられるものではありませんでした。

こうしたことから、アルゼンチンのデフォルトが確定したわけですが、今後デフォルトの連鎖が始まるかもしれません。

そもそも2008年の金融危機後の低金利を追い風に、新興国は積極的にドル建てによる資金調達をし、自国経済のテコ入れをしていました。ところが、世界各国に先駆けて米経済が回復し始めると、FRB(米連邦準備制度理事会)は利上げを決定しました。

通常、世界の投資マネーは相対的に金利の低い所から高い所へと流れる傾向にありますから、米国だけが金利を引き上げれば、投資マネーは新興国から流出し、米国に流入します。つまり、為替は新興国通貨安ドル高に動くわけです。

すると、新興国の政府や企業からすれば、自国経済が回復していない中で自国通貨が値下がりするのでドル建て債務が膨張してしまうのです。そして新興国はドル高を回避するためにFRBの利上げに追随しなければならないわけですが、自国経済が回復していない中で金融引き締めを意味する利上げに踏み切れば、景気回復の腰を折ることになります。

このように新興国経済は常にジレンマを抱えていて、デフォルトのリスクは懸念されていました。こうした中で新型コロナウイルスが追い打ちをかけたというわけです。

新興国を巡っては産油国のバーレーンのデフォルト確率が3割に高まっているほか、南アフリカの国債は投資不適格級に引き下げられ、さらにメキシコも大手格付け会社が相次いで国債の格付けを引き下げていて、デフォルトの連鎖が始まる可能性があることを考えると、新興国株投資は時期尚早と言えます。

グッドラック。

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