バフェット太郎です。

老後資金不足問題を受けて、これから株式投資を始めてみようと考えている人も少なくないと思いますが、彼らの中には将来の運用期間を退職年齢まで(たとえば、現在35歳、退職年齢65歳とした場合、運用期間は30年)と誤解している人が少なくありません。

資産運用とは貯金と同じように生涯続けるものなので、仮に現在35歳として90歳まで生きるとすれば、運用期間は55年ということになります。とはいえ、死ぬまでお金を増やし続けるわけではなくて、必要な分を取り崩しながら運用資産を減額していくということになります。

たとえば、米国や英国でムーブメントとなっている新しい生き方「FIRE」を実践する個人投資家は、資産の4%毎年を取り崩すことで、資産を減らさずに生活しています。そもそも「FIRE」とは、(Financial Independence,Retire Early=経済的独立・早期リタイア)の頭文字を取った造語で、株式市場のバックテストを行うと4%を取り崩すだけなら、資産を減らすことのなく運用し続けることができるとのこと。

これは、過去を振り返ると米国株のインフレ調整済みトータルリターンが年率平均7%だったことから、4%の取り崩しが可能ということです。

仮に退職年齢65歳の時点で運用資産が3000万円あれば、年間120万円を取り崩しても、残りの2880万円で資産運用を続けることができます。こうして、老後の主な収入は年金150~200万円と、取り崩し分の120万円ですから、およそ300万円が収入として見込めることになるので、老後の生活費と考えれば十分と言えます。

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また、再雇用制度を利用して65歳以降も働いたり、あるいはアルバイトや自営業で働き続ければ、運用資産を取り崩す必要もなく、運用期間が長くなる分、資産はさらに増大します。仮に将来の健康寿命を75歳として、運用期間が10年延長するだけで、3000万円の資産は5900万円まで増やすことができます。

つまり、老後資金不足問題は働く期間を長くするだけで解決するというわけです。とはいえ、嫌いな仕事を長く続けるのは苦痛ですから、好きな仕事を見つけたり、専門的なスキルを高めて個人で稼ぐ能力を身に付けることも必要になります。

ちなみに、運用資産3000万円をつくる方法はS&P500インデックスファンドに毎月3万円の積立投資を30年間続けるだけで達成することができます。とはいえ、投資を早く始めれば、30年間も積立投資を続ける必要はありません。

たとえば、25歳から40歳までの15年間、毎月3万円の積立投資をし、年平均7%で運用することができれば、その時点で940万円(投資元本540万円)くらいになるので、あとは積立投資を続けなくても、年平均7%の利回りで運用し続けるだけで、65歳の時点で5100万円くらいの資産を築くことができます。

つまり、40歳までに540万円の貯金ができた人たちは、そもそも老後の生活費なんて心配する必要がなかったのです。彼らは「米国株に積立投資をする」というたった一つのことを知らなかっただけで、今もなお貯金しかしておらず、老後の生活費を心配しているのです。

グッドラック。

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