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バフェット太郎です。

白人警官による黒人男性暴行死への抗議デモは全米に留まらず、欧州にも拡大するなど世界を巻き込むほどの規模に拡大しています。

米国に人種差別が存在するのは周知の事実ですが、それはアジア系やヒスパニック系も対象です。しかし、とりわけ黒人に対する差別は特に残虐で、これは黒人はかつて奴隷であり、白人の「所有物」という黒い歴史があるからです。

そもそも「奴隷制」というのは、人間を「資産」や「所有物」として扱い、人権を奪う制度のことです。

「奴隷制」は様々な形で世界中に存在してきましたが、とりわけ「大西洋奴隷貿易」の規模や社会への影響力は群を抜いて大きかったです。

「奴隷制」は15世紀末から19世紀半ばまで存在し、1000万人以上のアフリカ人がアメリカ大陸で強制労働を強いられ、その影響は彼らの子孫や、彼らの故郷であるアフリカ経済にも及びました。

15世紀にスペイン人がアメリカ大陸を侵略すると、そこでサトウキビやタバコ、綿花などの労働集約型産業を始めるわけですが、多大な労働力が必要だったことから先住民を奴隷にして働かせることにしました。

ところが、スペイン人が持ち込んだ疫病によって先住民が次々と死んでしまったので、スペイン人はアフリカの奴隷をアメリカ大陸に強制的に連れて来たのです。アフリカの王や商人たちも、犯罪者や戦争捕虜を奴隷にして、その奴隷と引き換えにヨーロッパの武器や工業製品などを手に入れていたのでためらう理由はありませんでした。

そして、その武器を手に敵対する部族との戦争に勝利し、領地と奴隷をさらに獲得することができたので、奴隷貿易はスペイン人にとっても、そしてアフリカの王や商人にとってもウィンウィンの一大産業に育ったのです。

こうしたことを背景に、いつの間にかアフリカでは奴隷を手に入れるために戦争をするようになりました。また、同時に各王国は敵対する部族による攻撃から身を守るためにスペインから武器を購入しました。もちろん、自国の奴隷を売ることで。

アフリカ沿岸部には奴隷市場があり、そこまで奴隷は歩かされるわけですがシラミ除けのために髪は丸坊主にされ、奴隷商人の焼印を押されて船に詰め込まれます。そして、商人にとって奴隷の数が多ければ多いほど儲けも多いので、奴隷は船の中に詰め込めるだけ詰め込まれました。

不衛生な環境で病死する者も多く、あるいは反抗的な態度の奴隷は見せしめとして海に投げ込んだりもしました。また、アフリカ人の中にはそれまで白人を見たこともなかったり、白人を食人種だと考える人もいました。さらに、彼らの村では死ぬことで魂は故郷に帰れると信じられていたので、自殺する人もしたそうです。

こうして奴隷貿易は人類史上最悪のビジネスへと発展したわけですが、アフリカでは健康な男性が次々と奴隷として連れ去られてしまったことでアフリカ経済が崩壊し、最終的にはヨーロッパに征服されて植民地化されるという悲惨な結果となりました。

また、ヨーロッパでも奴隷貿易は問題となっていました。なぜならキリスト教では「人はみな平等である」という教えがあり、キリスト教徒を奴隷にすることが禁じられていたからです。

そこでヨーロッパ人は、「黒人は生物学的に劣っていて、奴隷は宿命である。従って奴隷にしても許される」と主張したのです。

米国では何世代にもわたってこの理屈で押し通してきたので、未だに差別がなくならないのです。

グッドラック。

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