バフェット太郎です。

個人投資家の中には「高配当株」に投資するよりも「無配株」に投資した方が報われやすいと考える人たちがいます。

「たとえ配当利回りが5%の高配当株でも、株価がそれ以上値下がりするのなら、高配当株への投資は意味がないし、企業は利益を事業に再投資することで株価をさらに押し上げた方が良い」というのが彼らの根拠です。

しかし、そもそも個別株において「5%以上値下がりしない銘柄なんて存在しない」ことを考えれば、その意見には無理があります。そして、高配当株投資とは本来株価が大きく値下がりした時に、その配当でより多くの株数を買い増すことで、将来のリターンを最大化するという投資戦略なので、株価が値下がりするということは本来高配当株投資家にとっては絶好の投資機会であり、狼狽売りに走るタイミングではありません。

とはいえ、暴落局面では多くの投資家が不安になるものです。ですから、高配当株投資において重要なことは「値下がりしたら嬉しい」と思える銘柄や自分が理解できる銘柄、そして信頼できる銘柄に投資する必要があります。

ですから、仮に株価が下落したり悲観的なニュースで保有し続ける自信が揺らぐのなら、そもそも高配当株に投資すべきではありません。

たとえば、現在は金融株のほかエネルギー株も値下がりしていますが、そもそもコモディティ(商品)には全体で17年周期が存在するので、その存在を知らなければ永遠に低迷するような錯覚に陥ります。

【株式VSコモディティ】
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このチャートはコモディティ指数をS&P500種指数で割った指数の推移で、この指数は現在低迷していることがわかりまう。これは、コモディティ指数がS&P500種指数に対して値下がりしていることを意味します。

反対に、この指数が上昇するということは、S&P500種指数に対してコモディティ指数がアウトパフォームすることを意味するわけですが、過去を振り返れば、1973年、1990年、2008年と17年おきにピークを付けていたことがわかります。

つまり、コモディティには17年周期があり、現在はその大底であるわけですから、誰もがエネルギー株に悲観的なのは当然です。しかし、自然に四季があるように、相場にもサイクルがありますから、いずれ原油をはじめコモディティ価格が大きく上昇するのは必然です。

従って、高配当株という切り口でエネルギー株に投資をするなら、17年周期があることを知らなければなりません。そしてエネルギー株への投資というのは、こうした低迷期でこそ配当を再投資することで、将来のリターンの最大化を目指すわけですから、自信が持てる優良銘柄に投資する必要があるわけです。

ちなみに、株価が値下がりしなければ、配当を再投資してもより多くの株を買い増すことができないのでリターンは抑制されます。つまり、配当再投資戦略は株価が値下がりすることは良いことです。

また、投資家の中には「高配当株投資よりも無配株投資の方が報われる」と考える人たちがいます。これは「利益を事業に再投資して業績と株価を押し上げてくれた方が良い」とするのが理由です。

無配株の代表的な銘柄と言えば、アマゾン・ドットコム(AMZN)であるわけですが、たしかに、アマゾンが成長することがあらかじわかっていたのなら、誰もがアマゾンに投資をすることで報われるわけですが、それを予め知る術はありません。

そして、そもそも無配株には万年赤字企業が含まれています。これは赤字企業は配当を支払うことができないためです。ですから、無配株というのは業績がそもそも危うい銘柄が多く、実際、アマゾンも万年赤字企業でした。

それでもアマゾンは借り入れ資金を事業に投資し続けることで大きく成長できたわけですが、同じように借入金や利益を事業に再投資し続けた結果、経営破綻した企業は無数に存在します。

つまり、無配を貫いて事業に再投資した結果、飛躍的な成長を遂げた企業に投資すればいいというのは、「生き残りバイアス」がかかっていると言えるのです。

では、高配当株も同じでは?と思うかもしれません。高配当株投資は株価が下落した際により多くの株を買い増すことで将来のリターンの最大化を目指す投資戦略であるわけですが、株価が下落するということは当然企業業績が悪化し、減配のリスクが高まる時です

実際、高配当株の中には株安局面で減配や無配に転じた株は多いです。ですから、高配当株に投資する際、気を付けなければならないことは、業績が景気に左右されたり、激しい競争に晒されたりする銘柄を避けるということです。

たとえば、コカ・コーラやプロクター&ギャンブルなどがそれで、業績が景気に左右されることはあまりありませんし、激しい競争に晒されてもいません。つまり、永続的で安定したキャッシュフローが期待できるので、継続的に配当が期待できるのです。

もちろん、株価が極端に値上がりすれば、「高配当」でなくなる場合もありますが、そうした銘柄はこれまで配当を再投資した分の株が大きく値上がりしていることを意味するので、投資家は大きな含み益を得たことになります。

こうしたことから、高配当株に投資する場合は、「値下がりしたら嬉しい」と思える銘柄で、自分が得意としていて自信を持って保有できる銘柄でなければなりません。

これはS&P500インデックスファンドへの投資も同じで、結局のところ、2000年代に多くの投資家が米国株を売って新興国株に投資したのは自信が持てなかったからです。

グッドラック。

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