バフェット太郎です。

ISM(米供給管理協会)が発表したISM製造業景況指数は予想49.5に対して、結果52.6と予想を上回りました。また、景気拡大と縮小の分かれ目となる50を4カ月ぶりに上回ったことで、米経済が持ち直しつつあることが示唆されました。

【ISM製造業景況指数】
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ISM製造業景況指数の内訳は以下の通りでした。

「新規受注」は56.4と、前月の31.8から24.6ポイント上昇しました。

「生産」は57.3と、前月の33.2から24.1ポイント上昇しました。

「雇用」は42.1と、前月の32.1から10.0ポイント上昇しました。

「価格」は51.3と、前月の40.8から10.5ポイント上昇しました。

「在庫」は50.5と、前月の50.4から0.1ポイント上昇しました。

主要指数の「新規受注」「生産」が大きく上昇し、50を上回ったことはプラス材料です。ただし、「雇用」は42.1と、依然として50を下回っているほか予想の43.0を下回ったことから労働市場が依然として弱いことが示唆されました。

【ISM製造業景況指数:1998年12月-2020年6月】
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過去二回のリセッションを振り返ると、いずれもISM製造業景況指数が50を上回る頃にはリセッション局面から脱していることがわかります。そのため、6月の指数が52.6と50を上回ったことを考えれば、リセッション局面から脱しつつあると言えます。

ちなみに、仮に今回のリセッション局面の期間が2月から6月までの4カ月間だとすれば、これは戦後最短を記録することになります。(それまでは1980年1月から1980年7月までの6カ月間が最短でした。)

【ナスダック総合指数】
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さて、こうした中ナスダック総合指数は1万0154.63ポイントと過去最高値を更新して取引を終えました。ナスダック総合指数はS&P500種指数やダウ平均と比べてハイテク株やバイオ株が積極的に組み入れられているため、コロナ禍の中で特に好調に推移しています。

しかし、過去10年で四度目のダイバージェンスが発生していることから、近く指数が暴落する可能性が予想されます。ちなみに、ダイバージェンスとは株価指数の上値が上がる一方で、テクニカル指標のRSIの上値が切り下がる逆行現象のことです。

過去三回のダイバージェンスを振り返ると、いずれも200週移動平均線をターゲットに、高値から20%前後暴落したことから、今回も200週移動平均線をターゲットに暴落する公算が大きいです。

【S&P500種指数】
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ナスダックが暴落すれば、当然S&P500種指数やダウ平均の急落も免れませんが、S&P500種指数もダウ平均もダイバージェンスが発生していないことを考えれば、ナスダック総合指数に比べて下落幅は限定的となることが予想されます。

FRB(米連邦準備制度理事会)による金融緩和やコロナ禍はとりわけハイテク株やバイオ株にとって追い風になり得ますから、多くの投資家は引き続きナスダック総合指数は好調に推移するだろうと確信していますが、チャートは「そうならない」ことを示唆しています。

グッドラック。

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