バフェット太郎です。

米写真用品大手のイーストマン・コダックの株価が一時+474%と大暴騰しました。

【イーストマン・コダック(KODK):日足】
1
結局、この日の終値は前日比318%高の33.2ドルと、2014年以来の高値で取引を終えました。

株価が大暴騰した主な要因は、新型コロナウイルスの感染拡大に収束の兆しが見えない中で、同社が政府系機関の米国際開発金融公社から7億6500万ドル(約800億円)の融資を受けて、医薬品原材料の製造を開始すると発表したためです。

コダックは写真用品大手として知られていますが、近年、多くの人がスマホで写真を撮影するようになったことでカメラとフィルムの需要は低迷し、2012年1月に米連邦破産法11条の適用を申請し、上場廃止となりました。

その後、破産法適用から脱却して2013年11月にニューヨーク証券取引所に再上場しました。

ただ、コダックは再上場してからも業績が低迷していたので、同社をカバーしているアナリストはおらず目標株価もありません。そのため、現在の水準が割高なのか、あるいは依然として割安なのかを評価することができないのです。

たとえば、コダックは7億6500万ドルの融資を受けたことから、医薬品事業の売上高は3億~4億ドルになると予想されています。そして、ジェネリック医薬品会社の時価総額は、概ね売上高のおよそ1.5倍で取引されているので、仮に同じバリュエーションを与えると、コダックの時価総額は4億5000万~6億ドルになります。

現在、コダックの時価総額は(未だ医薬品事業が立ち上がっていないにも関わらず)14億5000万ドルにも上り、割高であると言えます。

さて、個人投資家の多くはソッコーでお金持ちになりたいと考えていますから、コダックのように大暴騰する銘柄に魅力を感じていると思います。

しかし、そもそもコダックは再上場後も業績は低迷しており、フリー・キャッシュフロー(純現金収支)は2014年12月期以降、6期連続で赤字が続いていますし、これまで時価総額は1億ドル程度しかない小型株でした。

さらに、最近はコロナ禍の中でリモートワークが拡大していることもあり、個人投資家によるデイトレがブームになっているので「赤字×小型株×ポジティブサプライズ」の三つの要素を兼ね備えた銘柄がこれまで以上に大暴騰しやすくなっているのです。

ただし、こうした条件を兼ね備えた銘柄に投資することは投資ではなく投機であり、ギャンブルですから、大損するリスクも大きいです。もちろん、資金の一部を投機的な銘柄に投資するのも面白いですが、あくまでポートフォリオの一部(5%以内)に留めておくべきです。

そのため、ソッコーでお金持ちになりたいという気持ちを押し殺すことも個人投資家には必要です。

グッドラック。



SPONSORED LINK