バフェット太郎です。

かつて「BRICs」の一角として世界中の投資マネーを集めた資源大国ロシアに、再び投資機会が巡ってくるのはいつになるのでしょうか。

ロシアは米シェール企業による原油増産を背景にした資源安で政府の収入が減少したことに加えて、通貨安による物価上昇、さらに外貨建て債務の急激な膨張で市民の不満が高まるなどで苦しい状況に立たされています。
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ドルルーブルの二年チャートを眺めると、ルーブル安のトレンドチャネルが形成されていることが確認できます。米FRBによる利上げは為替相場がドル高ルーブル安に傾きやすくなるということを意味するので、ロシアが利上げに動けないことから、このトレンドは長く続くと思います。一方でルーブル安はロシアの輸出競争力を高めるため、長期的にはルーブル安の今、ロシアに投資する絶好の機会だとも言えます。
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チャートはロシアの株価指数であるRTSの週足チャートです。弱気のトレンドチャネルが形成されており、短期的には800ptを目指しますが、レジスタンスに抑えられるように、600ptをターゲットに急落すると思います。

プーチン大統領は2016年内の景気回復を目指していますがそれは絶望的だと思います。ロシアは輸出と政府歳入の半分を石油関連に依存しています。政府が予算の均衡を保つために必要としている原油価格の水準は1バレル82ドルと言われており、現在の33ドルではやっていけないというわけです。

政府歳入が不足している今、ロシア政府は今まで石油収入で積み立てていた準備基金で埋め合わせなければなりません。しかし、現在の原油安水準が続けば2017年中にも準備基金が枯渇してしまう公算が大きいです。

ロシア政府の次の一手は国債発行です。しかし、欧米の経済制裁下では資金調達のコストは高くなります。さらに、米政府は米金融機関に対してロシア国債の購入は控えるように呼び掛けています。この呼びかけに強制性はありませんが資金調達コストがさらに高くなり債務危機を招くリスクも高くなります。

2015年のインフレ率は12.9%に加速し貧困層は全人口の14%に達するなど政治リスクは高まるばかりです。

歴史を振り返れば1998年のロシア危機直後、数多くの金融機関が倒産しました。その後、ロシア経済の回復のきっかけになったのはルーブル切り下げによる通貨安と原油高による輸出競争力の拡大でした。つまり金融危機→通貨安&資源高→景気回復というパターンでした。

過去の経験則に従えば、金融危機が起きていないロシア市場にまだ買い場は訪れていないです。別の言い方をすれば、ロシアへの投資機会は金融機関の倒産、ルーブルの大暴落、原油価格の反発が確認できてからということです。
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