バフェット太郎です。

FRB(米連邦準備制度理事会)が公表した7月のFOMC(連邦公開市場委員会)議事要旨によれば、FRBは「フォワード・ガイダンス」を導入する考えを示しました。

「フォワード・ガイダンス」とは、物価や失業率に数値目標を設けて、それを達成するまで利上げを見送ると約束することです。

FRBが投資家や企業家に対して、「ゼロ金利政策を長期にわたって維持する」と約束すれば、投資家は金融相場の恩恵に与るために積極的に投資するようになりますし、企業家は低金利が当面続くと確信できますから一段と資金調達がしやすくなるほか、設備投資にも積極的になります。

FOMCは2011年8月にも「フォワード・ガイダンス」を導入し、当時のベン・バーナンキ議長は市場参加者らにゼロ金利を2年続けると声明文に明記しました。

【2009年末ー2015年末】
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当時、2010年に米国債ショック、2011年に欧州債務危機と、米国経済はリセッション(景気後退)入り寸前の所まで追い込まれていました。しかし、FOMCが「フォワード・ガイダンス」を導入すると、株価はそこから一貫して買われました。

今回のFOMCでは、「結果主義型のフォワード・ガイダンス」が検討されていて、これは2011年の時のように、2年間といった期間を設けるわけではなくて、物価や失業率に目標値を設定し、その目標値に到達するまでゼロ金利を維持するというものです。

これは、仮に前回同様「2年間」と期間を設けてしまうと、予想外にインフレ率が加速して利上げの必要に迫られたとしても、利上げに踏み切ることができないからです。(もし、約束を反故して利上げに踏み切れば、それが前例となって「フォワード・ガイダンス」は永遠に使い物にならなくなってしまうのです。)

ですから、FOMCはフォワード・ガイダンスを「結果主義型」にして、たとえば「インフレ率2%を一定程度上回るレベルまで物価が上昇するまで」とする新しい指針を設けることが想定されています。

仮に、ゼロ金利の中でインフレ率が加速すれば、インフレを加味した実質金利がマイナスになるので、バリュエーションはさらに高まります。

つまり、業績が拡大しなくても、今よりも一層高PERが容認されるわけですから、株式市場は一段と上昇する余地があるということです。

ただし、これにはスタグフレーションの懸念もつきまといます。スタグフレーションとはリセッション局面の中で物価が上昇する現象のことで、国民の生活に逆風となります。

実際、新型コロナの感染拡大で個人消費は減速していますし、飲食や小売、レジャー・娯楽など、低賃金労働者の雇用環境は未だ回復していません。こうした中で物価だけが上昇してしまうと、失業者の生活はさらに困窮してしまうのです。

そのため、業績が拡大しない中で株価だけが上昇しても、労働市場が改善するわけでも株を保有していない労働者の生活が豊かになるわけでもないので、FRBによる金融緩和だけでなく、政府による景気支援策が必要になります。

そしてそれは、マネーサプライ(通貨供給量)のさらなる膨張を意味し、実体経済が低迷する中で株や金、ビットコインなどの資産価格が上がるわけですから、個人投資家は今こそ積極的に投資をすべきだと言えます。

もちろん、これができるのは、収入が少なくても日々倹約した生活を送り、一定程度のリスクが取れる金融リテラシーの高い人たちだけで、たとえ収入が多くても倹約をしていなかったり、リスクを取らない人たちには不可能です。そしてリスクを取らなかった彼らは10年後こう叫ぶのです。「政府は富裕層ばかり優遇している!!」と。

逆説的ですが、将来の生活を防衛するためには、リスクを取らないのではなく、リスクを取る攻撃的なお金の使い方が必要なのです。

グッドラック。

 
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