バフェット太郎です。

米国株式市場のセクターローテーションが進んでいます。

セクターローテーションとは、将来の景気を予測して、その景気局面に強いセクターに銘柄を組み替えていく投資手法のことです。

たとえば、景気は自然の四季のようにサイクルがあり、拡大期→成熟期→後退期→停滞期というサイクルで循環します。具体的に説明すると、拡大期では経済指標の改善と低金利を追い風にハイテク株や金融株が好調ですが、次第に成熟期を迎えると資本財株や素材株が強含む傾向にあります。

そして、後退期では比較的エネルギー株が強く、停滞期では生活必需品株やヘルスケア株などが人気化する傾向にあります。これは、成熟期で原油需要が拡大するため、需要拡大に伴う原油価格の値上がりが後退期でエネルギー株の追い風になるためです。また、生活必需品や医薬品は景気の良し悪しに関わらず売れ続けるので、比較的停滞気で強い傾向があります。

ただし、これはあくまで一例であって、必ずしもこの通りに特定のセクターが人気化するわけではないので注意してください。たとえば、金融危機以降の景気拡大期において、ハイテク株は人気化しましたが、金利がそれほど上昇しなかったことから金融株はそれほど値上がりしませんでした。

また、現在はリセッション(景気後退)局面であるわけですが、通常の景気サイクルによるリセッションではなくコロナショックによるリセッションであることから、エネルギー株は依然として低迷しています。

【セクター別パフォーマンス】
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さて、9月2日以降のセクター別パフォーマンスを眺めると、素材株が0.8%安と底堅く推移した一方で、ハイテク株が12%安と急落していることがわかります。

これは、セクターローテーションとして、これまで買われていたハイテク株の利食いが膨らんだ一方で、政府と中央銀行によるコロナ対策によるマネーサプライ(通貨供給量)の膨張が素材株に追い風となっているためです。

また、資本財株と金融株も他のセクターと比べて底堅く推移しているわけですが、これは、将来の景気拡大が期待されていることを受けて資本財株に買いが入っていることに加えて、米10年債利回りが上昇したことで、金融株に追い風が吹いているためです。

このように、必ずしもセオリー通りに景気サイクルの順番でセクターが人気化するわけではありませんが、素材株や資本財株が人気化しつつあるということは、景気拡大に向けて米国株式市場が動き始めたことを示唆しています。

そこで、今投資家らから注目されている素材株厳選5銘柄を紹介します。

【フリーポート・マクモラン:FCX】
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フリーポート・マクモランは銅鉱山世界最大手で、インドネシアのグラスバーグ鉱山を柱に、米国と南米でも生産しています。

【ライオンデルバセル:LYB】
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ライオンデルバセルはポリプロピレンで世界トップの石化大手で、2010年に再上場をしています。配当利回りは5.32%と高配当です。

【バルカン・マテリアルズ:VMC】
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バルカン・マテリアルズは建設資材米最大手で、砕石、砂利等の建設用骨材、アスファルトや生コン等の建設資材で強みを持っています。

【ニュートリエン:NTR】
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ニュートリエンはカナダを本拠地に置く肥料の世界最大手で、農家向けに各種肥料を販売しています。配当利回りは4.33%と高配当です。

【モザイク:MOS】
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モザイクは全米最大の肥料メーカーで、穀物メジャー・カーギルの肥料部門とIMCグローバルが統合して誕生した企業です。リン酸塩と炭酸カリウムに特化しており、リン酸肥料は生産量世界最大です。

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チャートはコモディティ指数をS&P500で割った指数です。

この指数の見方は指数が上昇すればするほどコモディティが株に対して買われていることを意味する一方、指数が下落すればするほど、コモディティが株に対して売られていることを意味します。

つまり、2008年をピークに一貫してコモディティは株に対して売られ続けているということです。

ハイテク・グロース株しか知らない個人投資家にはピンとこないかもしれませんし、「素材株って何かダサいな」と思うかもしれませんが、コモディティと株式には17年周期があることを考えれば、これからコモディティ関連株、すなわち素材株が人気化する公算が大きいです。

グッドラック。

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