バフェット太郎です。

10日のNYダウ株式市場は前日比-5.23ドル(-0.03%)安の1万6995.13ドルと横ばいで取引を終えました。注目されていたECB(欧州中央銀行)の定例理事会では、政策金利が予想0.05%に対し、結果0.00%と市場の予想を上回る追加緩和策が相次いで発表されました。これを受けて買いが優勢になったものの、会見でドラギ総裁が利下げ打ち止めを示唆すると相場が下げに転じ、結局横ばいで取引を終えました。

さて、米国が利上げする一方で欧州の低金利が拡大すれば、投資家は金利の低いユーロ債を売って金利の高い米国債を買いたいと考えます。従って、為替はユーロ安ドル高方向に動きやすいです。また、企業は金利の高い米銀でお金を借りずに金利の低いユーロ圏の銀行からお金を借ります。これは米銀の収益を圧迫します。

つまり、今回のECBによる予想を上回る追加緩和策は、金利拡大が米銀の、そして為替が米グローバル企業と米輸出企業の収益に悪影響を及ぼすため「売り」と解釈できるわけです。

しかし、実際はセオリー通りに動いたりしません。日本でも日銀がマイナス金利の導入を発表した直後に円が急騰したからです。今回も同じようにユーロが急騰するかもしれません。
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チャートはドルユーロの週足チャートです。チャートを眺めると上値が切り下がっている一方で0.88ユーロにサポートラインがあります。このことから弱気の三角保ち合いを形成していると考えることができます。つまり、これから大きくドルが売られユーロが買われるということです。
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ちなみにこれはドル円の週足チャートです。上値が徐々に切り下がっている一方で117.5円水準にサポートラインがあります。これも弱気の三角保ち合いで、円が急騰することを事前に教えてくれていました。通常、金利を引き下げた国の通貨は売られるものですが、どうして実際は逆に動くのでしょうか。

ぼくは過去のエントリーで米国株投資家は利上げを恐れる必要はないと度々書いてきました。ぼくがそう考える理由は利上げをするということはFRBが米国経済が好調だということを認めていることに他ならないからです。この論理は為替でも同じことが言えて、ECBが金利を引き下げるということはユーロが強いということを認めている他ならないというわけです。

従って、ぼくはこれからユーロはドルに対して大きく買われると考えています。つまり、米銀、米グローバル企業、米輸出企業の株は「買い」だということです。
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しかし、短期的には1万6500~1万7000ドルのレンジ相場になると思います。
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