バフェット太郎です。

世の中にはたくさんのバフェット本がありますが、その中でもぼくのお勧めのバフェット本は『バフェット・コード 』です。何が良いかというと、この本には1977年から2007年までのバークシャーハザウェイのポートフォリオが記録されているところです。このポートフォリオの流れを眺めるだけでも楽しめますし、バフェットはグレアム流のバリュー株投資から脱却して、オリジナルの投資手法を確立したことが時間を追って体験することができます。

ちなみに、オリジナルの投資手法は優れた優良株に集中投資するというものですが、これはチャーリー・マンガーがバフェットに「そこそこの株を素晴らしい価格で買うよりも、素晴らしい株をそこそこの価格で買う方がずっと良い」とのアドバイスに影響を受けたものと言われいています。

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バフェットはメディア株が好みで、1977年はキャピタル・シティーズ・コミュニケーションズというニューヨークのテレビ局や、ワシントンポスト紙やニューズウィーク紙で有名なワシントン・ポスト社、ヘラルド紙やシカゴ・デイリー・ニューズ紙で有名がナイト・リーダー・ニューズペーパーズなどに積極的に投資していました。(キャピタル・シティーズは後にABC放送を買収し、その後はウォルト・ディズニー(DIS)の傘下に入っています。)

バフェットはしばらくグレアム流のシケモク株投資をしていました。シケモク株とは例えば、簿価の三分の二の株価で買って、一に戻ったところで売り抜けて儲けるという手法です。しかし、そこそこの株を素晴らしい価格で買うよりも、素晴らしい株をそこそこの価格で買ったほうが良いと考える「グッド・ビジネス投資」へと徐々に傾いてきました。

1985年はグレアム流投資と完全に決別し、バークシャーハサウェイの廃業を決定しました。そして、87年に再び市場に戻った時、バークシャーハサウェイのポートフォリオはキャピタルシティーズ・ABC、ガイコ、ワシントンポストのわずか三銘柄だけでした。

そしていよいよ88年にコカ・コーラ(KO)に投資を始め、90年にウェルズ・ファーゴ(WFC)、91年にジレット(現PG)、94年アメリカン・エキスプレス(AXP)と相次いで超優良株に投資をしました。バークシャーハサウェイの第二次創業のポートフォリオは今までとは全く別の投資スタイルでした。正確には72年ごろからグッド・ビジネス投資へと傾いていたと言われていますが、超優良株に集中投資するというスタイルは88年のKOの投資以降です。

巷ではバフェット流の投資スタイルを「株価の安い時に買って高い時に売るバリュー株投資だ」と宣伝する人がいますが、本書を読めば、それが古い投資スタイルだということがわかります。現代の投資スタイルはもっと洗練されていて、グッドビジネスをそこそこの価格で買っています。結果的に、バフェットの買値は「安くない!」と度々言われています。

本書はその時々の相場を振り返りながら、どのようにバフェットは考え、ポートフォリオを組み入れていたのかということを時間を追って体験することができる貴重な本です。バフェットの投資スタイルを深く知りたいならお勧めの本ですよ!
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