バフェット太郎です。

バフェット太郎はついこの間まで日本株を中心に運用していました。そのときに影響を受けた本が『バリュー株投資は「勝者のゲーム」! 』です。著者はインデックス投資家のバイブル『ウォール街のランダム・ウォーカー〈原著第11版〉 ―株式投資の不滅の真理 』を訳書にもつ井手正介氏です。

彼はインデックス投資の有効性を認めつつも、ある程度の社会経験と健全な常識を備えた投資家ならバリュー株投資をするべきだと提唱しています。それは、一般に入手できる公開情報と、簡単な基準を用いて運用対象銘柄を機械的に絞り込み、PERが市場平均以下にある間は安定保有するという、単純なアプローチです。彼はこの方法で2004年から2010年までの6年間、バリュー株ポートフォリオの実験運用を行いました。結論から言えば、市場平均ー21%減に対して+7%と市場平均を上回りました。

銘柄にはいくつかの基準が設けられました。
一、東証一部上場銘柄
二、時価総額2000億円超
三、過去5年および今、来期予想のEPSが安定的に伸びていること
四、予想ROEが10%以上
五、PER20倍以下

組み入れ銘柄は最低5、最高10銘柄に分散投資されました。これは彼の経験上、業種分散に十分気を配り10銘柄に分散すれば、個別銘柄リスクはほとんど消去できると考えているためです。

また、各銘柄に配分される金額は、等金額基準とし、均等分散投資で運用されました。

さて、2004年に組み入れられた運用開始時のポートフォリオは次のようになりました。
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運用の基本ルールは、毎年一度ポートフォリオを見直し、PERが20倍以上になる銘柄があれば割安ではなくなったと判断して売却し、そうでない銘柄は引き続き保有する。また、10銘柄を限度に、銘柄採用基準を満たし、且つ業種分散効果が期待できる銘柄のみ新たに組み入れるというものです。

最終的に2010年のポートフォリオは以下の通りです。
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結果、市場平均-21%減に対し、結果+7%と市場平均をアウトパフォームしました。

実験結果ではバリュー株が市場平均に対してアウトパフォームしており、有効性が確認できましたが、検証期間がわずか6年であることから、一時的な要因である可能性があります。なぜなら、リーマンショックなどの弱気相場ではバリュー株がその他銘柄に対してアウトパフォームしやすいからです。

では、相場の波をとらえて資金うまく動かせばどうかと考えたくなりますが、長期的にみればタイミング投資はうまくいきにくいです。ちなみに、本書ではそうしたタイミング投資も同時に検証されており、結果はなんと+63%と市場平均を大きく上回りました。まぁ、バフェット太郎がこれを読んだとき、たまたまだろうなと思っただけで、誰もがタイミング投資をうまくできるわけではないので、参考にするべきではないと考えました。

井手氏のタイミング運用は、リーマンショック前に保有銘柄をすべて売り払い、現金で保有するというもので、なかなかマネできるものではありません。一歩間違えれば、大きな機会損失になるわけで、タイミング投資は長期的にみればパフォーマンスを悪化させるだけなので、バフェット太郎はタイミング投資をお勧めしません。

本書はインデックス投資よりも厳選バリュー株投資の有効性を主張するものですが、読者はここに書かれているすべてを鵜呑みにするべきではありません。そもそも、本やブログなどの読み物は、書き手のあらゆるバイアスがかかっているので、素直に鵜呑みにせず、気をつけるべきところは気をつけて読みたいです。

そういうことを踏まえたうえで、本書はバリュー株投資家が参考にすべき本だと思います。銘柄を選ぶ際の基準や、望ましい保有銘柄数、運用方法やその基本ルールなど、投資家として必要なアイディアが詰まっています。

2010年に発売された本なので古いと思うかもしれませんが、そんなことは全くありません。バリュー株投資の基本的な概念は変わらないので投資家に長く読まれる良書だと思います。


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