バフェット太郎です。

世界最大のコーヒーチェーン、スターバックス(SBUX)が第2四半期決算を発表しました。内容は悪かったです。

EPSは予想0.39ドルに対して、結果0.39ドルと予想に一致しました。
売上高は予想50億3000万ドルに対して、結果49億9000万ドルと予想を下回りました。
既存店売上高は予想+6.7%に対して、結果+6%と予想を下回りました。

EPSは予想に一致したものの、売上高と既存店売上高は予想を下回りました。加えてガイダンスも悪かったです。

第3四半期決算のEPSは予想0.49ドルに対して、新ガイダンス0.48~0.49ドルと下限が引きあがりました。
通期のEPSは予想1.89ドルに対して、新ガイダンス1.88~1.89ドルと下限が引きあがりました。
通期の売上高は予想215億4000万ドルに対して、新ガイダンス215億ドルと下方修正されました。

ガイダンスの下方修正を受けて、株価は-4.88%急落しました。

モバイル注文・決済アプリ「モバイル・オーダー・アンド・ペイ」の利用は前年比で倍増しました。このサービスは自宅や会社にいながら、スマホのアプリ経由で先に注文・決済し、所定の時間に来店すれば、レジに並ばなくても商品を受け取れるというものです。出勤前の朝やランチのピークタイムなどで効果が大きく、売り上げ増に貢献しました。一部のアナリストによると、このモバイルアプリ利用者の客単価はその他の顧客の3倍とのことです。

経営成績
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長期的にみれば売上高、営業利益、純利益のすべてが右肩上がりで増加していますが、単年ではたくさんの問題を抱えていました。

2006年、客単価が減少したことに加えて、客数の伸び率が大幅に鈍化したことで、株価は直近の高値から4割下落しました。これには三つの問題がありました。

一、自動エスプレッソ・マシンの導入で業務は効率化されたが、ロマンチックな劇場的要素を失った。
二、焙煎したてのコーヒーの袋詰めに成功したが、店舗からコーヒーの香りが失われてしまった。
三、店舗デザインの効率性を実現したが、スターバックスの魂を失ってしまった。

ハワード・シュルツ会長は経営陣に対して上記の三つのメッセージを送ったところ、そのメッセージは社外に漏れ、世間に知れ渡ってしまいました。それはつまり、経営陣の誰かの裏切り行為があったことを意味します。

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2008年にシュルツ会長はCEOに復帰し、再生に向けた新たなストーリーがはじまります。シュルツは五つの王道とも言える戦略を掲げました。

一、コーヒーの権威としての地位を取り戻す。
二、顧客との心の絆を取り戻す。
三、海外市場でのシェアを拡大する。
四、企業の社会的責任を強化する。
五、経営の土台を強化する。

こうした取り組みの結果、2010年以降、業績が急上昇しました。

しかし、2013年には米食品大手クラフトフーズ(現クラフト・ハインツ:KHC)に対して一方的な契約打ち切りを巡る係争で、調停の結果22億3000万ドルの賠償金と法定利息や弁護士費用など5億2700万ドルを支払うことになり、営業利益が赤字に転落しました。

SBUXはこうしたいくつもの問題を乗り越えながら業績を上げているので、SBUXに長期投資していた人はずーっとハラハラしていたと思います。
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EPS(一株当たりの純利益)、BPS(一株当たりの純資産)、DPS(一株当たりの配当)はすべて増加基調です。
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2014年はクラフト・フーズの賠償金支払いを計上したため、営業CFが大きく落ち込んだものの、全体を通して安定した収益が見込めるうえ、投資CFもそれほどかからないため、フリーCFが増加傾向にあります。フリーCFの増加はBPSを高めるだけでなく、配当や自社株買いといった株主還元策にも使われます。
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株価は50日移動平均線を試す展開です。PER35.41倍、配当利回り1.39%と割高感があります。

SBUXはグロース株なので、長期投資には不向きな銘柄です。

バフェット太郎は今後数年間にわたって、大型グロース株は大型バリュー株に対してアンダーパフォームすると予想しています。FANGなどの一部のハイテクグロース株に限らずSBUXも、地味で退屈なバリュー株に対してアンダーパフォームするだろうと考えています。


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