バフェット太郎です。

ウォール・ストリート・ジャーナル に「モバイル決済サービス戦争、利益犠牲か」との記事。

モバイル決済には、米アップルの「アップルペイ」、韓国サムスンの「サムスンペイ」、米ペイパル、米JPモルガン・チェースの「チェースペイ」などが乱立しています。また、先週、マスターカードのアジェイ・バンガCEOが「ウォルマートのような小売業者は顧客をつなぎ留めることのできる商品と財布を提供する方法を見つけようとしている」と述べています。2015年7月にウォルマートはターゲット(TGT)や百貨店シアーズ、家電量販店ベストバイなどが設立した業界団体の「マーチャント・カスタマー・エクスチェンジ」がモバイル決済サービス「CurrentC」のテスト運用を始めています。

このようにモバイル決済に参入する企業が増えれば増えるほど、収益性が低下すると懸念されています。なぜなら、時間がたつにつれて決済インフラ全体の価格が押し下げられるからです。

すでにその兆候は見られており、ペイパルが業者から徴収する1取引当たりの決済手数料は2012年以降、年間0.16ポイントのペースで低下しているとのこと。また、アップルはアップル製品の購入と引き換えに手数料を引き下げる可能性が十分にあります。さらに、チェースペイはすでに業者に請求する手数料を従来のカード決済手数料より低くしています。
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さて、米国の最強株として人気の高いビザ(V)とマスターカード(MA)ですが、今後モバイル決済が加速していくと今までのような手数料収入が期待できなくなります。

両社とも営業利益率が非常に高く、Vは65.3%、MAは52.5%と驚異的な数字です。また設備投資を必要としないため莫大なフリーCFを毎年稼ぎ出しています。しかし、決済業界は技術の急激な変化が起こりやすく、収益構造が大きく変わる可能性があるため、どんなに経営成績が優秀でも、長期保有にはあまり向かない銘柄なのです。

長期保有に向く銘柄とは、コカ・コーラとかプロクター&ギャンブルのような誰もが知っているような地味で退屈な銘柄のことです。これらは10年20年とシェアがほとんど変わらないということが予想できます。しかしVもMAもこれからどうなるか誰にもわからないのです。

それを過去の実績だけで、「最強株を永久保有しておけば間違いない」とか言う奴は、ハッキリ言ってク◯です。今後、増益率が縮小し利益率が悪化すれば、現在の株価水準から半値に落ちるなんてフツーですよ。

ちなみにウォール・ストリート・ジャーナル という米国の投資新聞は、世界中の投資家が毎朝必ず読むものなので、投資家は必ず読むようにしてください。若いうちから一流の投資新聞を読むことを習慣化させることで、投資や経済に関する知識は驚くほど深まりますよ。
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