バフェット太郎です。

米ネット小売り最大手のアマゾン(AMZN)のPERは536倍と極めて高い水準で取引されています。こうした「グロース高PER株」をバイ&ホールドする人たちは典型的な凍死家になるタイプです。ハッキリ言って市場平均にボロ負けしますよ。

そもそもPERという指標は、その他の銘柄に比べて割安か割高かを示す、最もよく使われる尺度です。低PER株を買う投資家は「企業の本質的価値を下回っている」と判断して買います。また、PERが高くなると「企業の本質的価値を上回っている」とか「過剰な人気から、非現実的な利益成長が期待されている」と判断して売ります。

AMZNのサービスはすでに消費者の生活に馴染みがあり、売上の規模は今後も拡大すると考えられています。そのため、利益成長期待からPERは500倍を超えているわけです。ただし、過去に答えを求めれば、高PER株への長期投資は報われないことの方が多いです。

ウォール街で勝つ法則 - 株式投資で最高の収益を上げるために』によれば、PER株投資は1951年12月31日に1万ドル投資して、1996年12月31日まで毎年PERの見直しを行った場合、最もリターンの高かったのは低PER大型株投資でした。当初の1万ドルは378万7460ドルに拡大しました。
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また、複利の年間リターンは以下の通りでした。

大型低PER株:14.10%
全銘柄(市場平均):13.23%
全銘柄低PER株:12.65%
大型株:11.92%
大型高PER株:9.71%
全銘柄高PER株9.35%

PER株投資で最も報われる可能性が高いのは、大型低PER株への投資です。これは市場平均を上回る成績でした。一方で、高PER株投資は全般的に成績が振るわなかったです。

大型低PER株には次のような銘柄があります。ダウ・ケミカル(DOW)の8.33倍、トラベラーズ(TRV)の10.09倍、モンデリーズ・インターナショナル(MDLZ)の9.79倍、IBMの10.75倍などです。

大型高PER株には次のようなものがあります。ネットフリックス(NFLX)325倍、アマゾン(AMZN)534倍、フェイスブック(FB)90倍などです。

愚か者は体験から学び、賢者は歴史から学ぶと言いますが、愚か者ほど誰もが考えそうな安易な未来を思い描いて、夢や希望を抱き、AMZNのような大型高PER株にバカ高い値段を支払います。反対に、賢い投資家ほど歴史から学び、過去のデータを重視するので、大型低PER株や大型高配当株に投資します。


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