バフェット太郎です。

世界の株式市場に調整局面の足音が聞こえているいま、ぼくたちはもう一度、投資の原理・原則に立ち返る必要があると思うのです。そこで今日紹介するのは、投資の世界を代表する偉大な思想家であり、『ウォール街のランダム・ウォーカー』を書いたバートン・マルキールと、名著『敗者のゲーム』を書いたチャールズ・エリスの二人が一般の投資家向けに「できるだけシンプルに、しかし、シンプルすぎないように」原理・原則にしぼって書いた『投資の大原則』という本です。

本書は五つの章で構成されています。
一、まず貯蓄を始めよう
二、シンプルな投資法
三、一に分散、二に分散、三に分散
四、大きな失敗を避けよう
五、私たちが勧めるKISSポートフォリオ

第四章、「大きな失敗を避けよう」では、バフェットが大きな失敗を避けたとして、2000年のITバブルを例に挙げています。当時、IT株が大きく上昇しているなか一銘柄もIT株を保有していなかったバフェットに対して、世間は「過去の人」と評価していました。実際、バフェットのパフォーマンスはIT株に集中投資していたファンドマネジャーに比べて悪かったです。しかしバフェットは、自分がよく理解していない分野の会社の株を買うことはできないとして、IT株に投資しなかったのです。つまり、自分がよく理解できるものだけに投資することが大きな失敗を避けるうえで必要なことなのです。

また、投資家の自信過剰バイアスについても言及しています。例えば行動心理学者の研究によれば、心理学者が被験者に対して「あなたの運転は平均より上ですか、下ですか」という質問をすると、被験者のほとんどは「平均以上」と回答するそうです。また、これは自動車運転に限らず、優劣がはっきりしている身体能力に対する質問でも同じような結果になったそうです。つまり、投資においてもそれは変わらず、ほとんどの投資家はETFに投資している人たちも含めて「自分は平均以上」と考えているというわけです。

バートン・マルキールとチャールズ・エリスも、コストの低いETFがベストな選択だとしつつも、一人は中国の成長株に投資し、もう一人はバークシャーハザウェイ(BRK.B)に投資しています。つまり、彼ら自身もプライベートな運用では平均以上の運用を期待しているというわけです。ちなみに、老後のための資産形成はインデックスファンドによるパッシブ運用をしているそうです。

第五章の「私たちが勧めるKISSポートフォリオ」では、バフェット太郎が参考にした原理・原則が書いてあります。それは、KISS(Keep It Sinple,Sweethert)という言葉であり、シンプルな方針を貫くという考え方です。

金融市場は膨大な情報とデータで溢れ、恐ろしいほど複雑な世界です。そうした世界においてできるだけ単純明快にシンプルにしておくことで、自分を守ること、そして安定した長期投資ができると思うのです。そのため、バフェット太郎は均等分散投資というシンプルなルールをつくり、構成比率下位銘柄を買い増すことで、不人気の値下り銘柄を買い増しながら均等分散投資を維持し、資産を増やしていこうと考えているわけです。

本書はパッシブ運用を推奨している二人の共著であるため、全体を通してETFやインデックスファンドを推奨する記述が多いです。しかし、一~三章の貯蓄や分散投資に関する記述は投資の大原則とも言える基本中の基本であり、投資本を何十、何百冊と読んできた投資家にとっては忘れてしまっていた原則も書いてあると思うので、調整局面の前に再読して投資の原点に立ち返ってみることをオススメします。

配当再投資戦略を実践する投資家は、本書だけでなく、『株式投資の未来~永続する会社が本当の利益をもたらす』を何度も何度も経典のように読むことをオススメします。

グッドラック。