バフェット太郎です。

【前半】はこちら。

歴史を振り返れば英国がEUを離脱しない方が良いということは明らかです。

英国は1973年に、「欧州の病人」と言われながらもEUに加盟したわけですが、以降43年間、英国の一人当たりのGDPの伸び率は年率平均1.8%と、独国の1.7%、仏国の1.4%、伊国の1.3%を上回っています。これは、世界から大規模な長期投資があったからだけでなく、英国は欧州各国ほど労働規制が厳しくないことから、優秀な人材がに流入したためです。つまり、EU統合のメリットは欧州危機以降感じられなくなっただけで、長期的にみれば、EU統合の恩恵を誰よりも享受してきたのです。

また、移民問題は移民が悪いのではなくて、必要な資源を自治体に与えなかった歴代政権の失敗によるものです。軍事問題でも昨年、ロシアのウクライナ侵攻に対し制裁を科したのはEUで、イランとの核交渉のきかっけを作ったのもEUです。

日本は中国や韓国と領土争いしていますが、欧州はロシアと領土争いしています。また、イスラム国(IS)からの脅威、中東やアフリカ北部からの移民流入、国際的な犯罪組織ネットワーク、気候変動など、欧州はあらゆる問題を抱えており、これらはどれも単独で解決することは不可能です。そのため、英国はEUに留まり、これらの問題をEU加盟国と連携しながら対応しなければならないのです。別の言い方をすれば、英国のEU離脱はEUを弱体化させることになり、それは英国の弱体化にも繋がっていくのです。

EU離脱派の特徴は、50代以上の社会的・経済的弱者に多いです。世論調査によれば、年齢別の離脱を支持する割合は以下の通りです。

     残留 : 離脱
18~24歳:59% : 20%
25~49歳:49% : 34%
50~64歳:35% : 53%
65歳~    :33% : 57%

50代以上から離脱を支持する人たちが増えます。この表を眺めると、50代以上の大人ほど、英国の歴史や世の中の仕組みを理解していない愚か者だと考えるかもしれません。しかしそう考えるのは早計です。何も若年層の方が年上の人達よりも優秀だというわけではなくて、世代で経済的利害関係が対立しているからに他ならないのです。

現役世代の若者ほど、EU市場への自由なアクセスにより製造業や金融業の雇用が増加し、貿易額が増加する一方で貿易コストが下がるなど、経済的メリットが大きいです。反対にリタイア世代のシニア層は、移民の流入により、社会保障費の横取りや治安悪化など、経済的デメリットの方が大きくなるのです。

そのため離脱派の多くは、経済的デメリットを理由に離脱を支持するのではなくて、それ以外の理由として大衆迎合主義を利用して、移民を犯罪者、悪者扱いし、国民の不安を煽り、議会主権こそ重要だと主張しながら、英議員の三分の二が離脱に反対していることには目をつぶったり、道徳や倫理観を無視するわけです。

こうした英国の恥ずかしい姿をぼくたちは笑うことができるでしょうか。テレビに映る英国の姿は、まるで現代の日本のようにも見えます。

★★★

さて、英国のEU離脱の是非を問う国民投票後、仮に離脱が決定されたとしても、株価は瞬間的な調整に留まると思います。バフェット太郎がそう考える理由は、離脱決定後、英国はEUや他国との間で2020年代後半まで長い長い交渉が続くからです。英国とEUの間の新協定は、オーダーメイドな包括的経済協定となる可能性が高く、経済を重点にどこまでEU市場への自由なアクセスを獲得し、EU法を受けるかなどが今後の焦点になっていきますが、英国とEU経済の停滞は誰も得しないので、落ち着くべきところに落ち着くはずです。また、究極のディフェンシブセクターになる金や金鉱株が人気になります。

また、残留が決定すれば相場は先行き不透明感が払拭されたことから再び上昇トレンドに入ると思います。特に勢いのあるセクターは金鉱株、エネルギー株などです。また、配当利回りの高いディフェンシブ銘柄も買われます。金鉱株は残留の場合瞬間的な下落はあるものの、短期的な調整で終わります。つまり離脱、残留のどちらでも上がるということです。

金鉱株への投資については「【最重要】2016年から2020年末までの金鉱株の時代の波に乗るべき理由」でオススメ投資先を紹介しています。

グッドラック。