バフェット太郎です。

「世の中には古いタイプの投資家と、大胆なタイプの投資家がいます。しかし、古いタイプの大胆な投資家はいません」とは米オークツリー・キャピタル・マネジメント創業者、ハワード・マークス氏の言葉。これは大胆な戦略は投資家人生を短命にするということを意味しています。

大胆な戦略とは、「より高いリスク資産に集中投資し、さらにレバレッジを加える」というものです。短期的にお金持ちになるような個人投資家とはこのような投資戦略である場合が極めて多いです。反対に、低いリスク資産に分散投資して、一切のレバレッジをかけない投資戦略で短期的にお金持ちになったという人はいません。

これは投資の世界に限らず、実社会でも同じことが言えます。脱サラして銀行から借金して独立開業した人ほど若くしてお金持ちになるのは、リスクをとって事業に集中投資し、レバレッジをかけているからです。反対にサラリーマンがお金持ちになれないのは、リスクをとらずレバレッジもかけられないからです。しかし会社の事業に集中投資はしている分、分散効果が得られないのである意味不幸な投資をしていることになります。

つまり、短期間のうちにお金持ちになりたければリスクの高い投資をしなさい。長期的にお金持ちになりたければ、リスクの低い投資をしなさいというわけです。マークス氏は「攻めの投資はめったに叶えられない夢を追うもの、守りの投資は安定的な好パフォーマンスを達成しうるもの」と、ディフェンシブ銘柄への投資を推奨しており、自身が運営するオークツリー・キャピタル・マネジメントでもディフェンシブ重視のアプローチを採用しています。

マークス氏は相場が悪い時期こそアウトパフォームすることが不可欠だとしています。これは良い時期に平均的な成績をあげ、悪い時期にアウトパフォームすることができれば、サイクル全体を通して見た場合に、平均を下回るボラティリティで平均を超える成績が挙げられるからです。

1

SPONSORED LINK
このチャートはディフェンシブ投資の優位性を表しています。青色のAは強き相場で10%上昇、弱気相場で8%下落しています。一方で赤色のBは強気相場で8%上昇、弱気相場で6%下落しています。

チャートを眺めると初期段階の高値ではAがBを上回っています。しかし、最終的には高値でも下値でもBがAを上回っていることが確認できます。つまり、値上がり率が低くても値下がり率を低く抑えることで、長期的なリターンは高くなるというわけです。

★★★

ほとんどの投資家は値上がり益とか値上がり率ばかり気にしていて、肝心な値下がり率を軽視しています。これは株式投資の仕組みを理解していないことに他ならないのです。バフェットが後継車候補の一人としてバークシャー・ハザウェイに招いたトッド・コームズ氏は、弱気相場で市場平均をアウトパフォームしていた実績が評価されたと言われています。

こうしたことからも、長期投資家ほど弱気相場でのパフォーマンスを重視しディフェンシブ銘柄を中心に投資していることがわかると思います。

あなたのポートフォリオはどうですか?強気相場で市場平均をアウトパフォームしていても、肝心の弱気相場で市場平均をアンダーパフォームしていれば、チャートが示すAのようにいずれBに追い抜かれてしまいますよ。

不確実性が高まるこれからの相場のなかで、ますます長期投資家としての力量が試されていきます。

グッドラック。
SPONSORED LINK


(参考文献:『投資で一番大切な20の教え―賢い投資家になるための隠れた常識 』)