バフェット太郎です。

配当再投資を戦略にする長期投資家は弱気相場を歓迎しなければなりません。なぜなら富とは弱気相場から作られるからです。

ジェレミー・シーゲル著『株式投資の未来~永続する会社が本当の利益をもたらす』によれば、史上最悪の弱気相場、1929年の世界大恐慌がなかった場合を、実際のS&P500指数のリターンと比較し検証しています。

「世界恐慌がなかった場合」とは、1929年から1954年にかけて配当が順調に増配し、株価は急落することなく横ばいで推移したという現実よりはるかに良いシナリオのことです。実際の世界恐慌は株価が半値以下に暴落し配当は減配され、失業率は20%を超え企業は倒産の連鎖、銀行に預けていたお金も消失してしまうという残酷なものでした。

この二つのシナリオを検証した場合、大恐慌が起こらなかった場合、1929年の高値で投資した1000ドルは配当再投資の結果、25年後の1954年には2720ドルになっていました。一方で大恐慌があった実際のシナリオでは、投資した1000ドルが4440ドルにもなりました。

なぜ、恐慌があった場合の方が恐慌がなかった場合よりもリターンが60%以上も上回っていたのでしょうか。それは配当額が減少しても株価はそれ以上に値下りしたため、配当利回りが上昇しトータルリターンを押し上げたからです。

1929年の高値で1000ドルを投資した場合、瞬間的に-90%安に落ち込む場面もありました。また、底値を付けたのは3年後の1932年で、1929年の高値水準まで株価が戻ったのは16年後の1945年まで待たなければなりません。加えて、大恐慌がなかった場合のトータルリターンを大恐慌があった実際のトータルリターンが上回ったのは1950年以降です。

1950年の時点では大恐慌がなかった場合のトータルリターンと実際のトータルリターンは、投資した1000ドルが2250ドル程度と同水準だったのです。大恐慌が起きた実際のトータルリターンが、その後わずか4年間で一気に加速したのは、長期間の弱気相場において、投資家がより多くの株を買い増すことができたからに他なりません。

一方、短期的な相場見通しの悪化から狼狽して投げ売りした投資家や、レバレッジを掛けていた投資家が、結果的に誰よりも損をしたというわけです。

下落相場が長期間続けば誰もが不安に陥るものです。しかし過去を振り返れば、そうした痛みに耐えて配当再投資することで、投資家は莫大な利益を獲得できることもわかっています。英国のEU離脱により、将来の先行きに不透明感が高まり、市場が悲観論にとりつかれている今だからこそ、配当再投資を続ける意味があるのです。

グッドラック。
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