バフェット太郎です。

配当再投資戦略に相応しい銘柄とは一体どのような銘柄でしょうか。そのヒントとなるジェレミー・シーゲル著『株式投資の未来』によれば、「S&P10種」と「S&Pコア10種」のトータルリターンに差異がなかったことが証明されています。

そもそも「S&P10種」とはS&P100種のなかで最も配当利回りの高い10銘柄のことで、「S&Pコア10種」とはS&P100種のなかでも15年間減配をしていない高利回り10銘柄のことです。ちなみに「S&P10種」は毎年銘柄入れ替えをします。

配当が安定していることに加えて、頻繁に銘柄入れ替えをする必要がないため取引手数料が少ない分、一見すると「S&Pコア10種」の方がトータルリターンが高くなるような気もしますが、実際は「S&P10種」とほとんど同じリターンだっということがわかっています。これは将来減配する可能性の高い不人気銘柄を買うことでインカムゲイン(配当利回り)だけでなく、高いキャピタルゲイン(値上がり益)も得られるからだと思います。

不人気銘柄を買うことで、案の定、減配による利回り低下で銘柄入れ替えで除外されたとしても、将来減配可能性のある不人気高配当銘柄を新たにポートフォリオに組み入れることで、トータルリターンの最大化が期待できるというわけえです。
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だとすれば、配当再投資戦略にはそもそも銘柄分析はそれほど重要なことではなく、単純に大企業群の中から配当利回りの高い銘柄だけ選んでおけば良いのかもしれません。また、「S&P10種」は配当利回りの高い銘柄の寄せ集めなので、「セクター分散」という概念もありません。そのため、特定のセクターに偏ったポートフォリオになる場合もあります。

しかし、実はそれが結果的に良いことなのかもしれません。経験を積んだ投資家ほど株式投資を複雑に考えてしまいがちです。例えば毎年の銘柄入れ替える際、特定のセクターに偏るという理由で、本来組み入れるはずの銘柄を除外したりするかもしれません。また、組み入れるはずの銘柄を「将来減配する可能性があるから」という理由で除外すれば、本来得られたはずのインカムゲインと大きなキャピタルゲインまで得られないかもしれません。

従って、私情を挟みがちな「S&P10種」への投資は投資家自身がリスクとなり、トータルリターン最大化の妨げになるかもしれないのです。そうすると、やはり投資をしていて自信の持てる高配当利回り銘柄に投資することが良い選択だと思います。

つまり、配当再投資戦略に相応しい銘柄というのは、投資家自身が容易に理解できるビジネスモデルであり、容易であるが故に自信を持って保有し続けることができる超大型高配当銘柄であるということです。具体的な銘柄群を挙げれば、S&P500種に採用されている飲料・食品株、タバコ株、日用品株などではないでしょうか。

グッドラック。
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