バフェット太郎です。

三連休明けの6日のNYダウ株式市場は、前日比+46.16ドル(+0.24%)高の1万8538.12ドルと小幅上昇して取引を終えました。上昇した主な要因は不調な経済指標を受けて利上げ観測が後退したためです。ただし、バフェット太郎は依然として9月に利上げがあると考えています。

この日発表された8月のISM非製造業景況指数は予想55.0に対して、結果51.4と予想を大きく下回りました。これは約6年半ぶりの低水準です。50が景気拡大と縮小の分かれ目となり、これを今回は若干上回りましたが、先週はISMの製造業景気指数が50を割り込み8月の雇用統計や自動車販売も弱かったことで、米国の景気減速が先週からのデータも含めて浮き彫りとなりました。

株式市場は不調な経済指標を受けて一旦は下げる場面もありましたが、経済指標が不調だったことから利上げ観測が後退したとの見方が広まり、上昇に転じました。

そもそもISM非製造業景況指数とはどういった指標なのでしょうか。『ウォールストリート・ジャーナル式 経済指標 読み方のルール』によれば、とても重要な指標として紹介しています。

非製造業とはモノを作り出さない仕事のことで、例えば食料品店は食品を販売していますが食品を製造しているわけではありませんし、ガソリンスタンドはガソリンを販売していますが原油を採掘しているわけではありません。銀行や商店、卸売業など、世の中にはモノを作らないサービス業があふれており、民間経済の7割を占めています。

ISM非製造業景況指数とは、そうしたモノを作らないサービス業の購買担当役員から見た景気の状況を表しており、サービス業の状況について現場の声が聞けるわけです。

基本的にはこうした経済指標は50を分かれ目に景気が拡大しているのかあるいは縮小しているのかを判断するのですが、ISM非製造業景況指数は比較的歴史が浅く、まだ基準として妥当であるといえるだけの実績がなく、数値の振れがかなり大きいのが実情です。
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そのため、この指標を見る際、方向性ではなく位置を見ることが重要だと、スイス再保険最大手のスイス・リーの米国チーフエコノミスト、カート・カール氏は述べています。

つまり、上昇しているか下落しているかのトレンドをみるのではなくて、指数がコンスタントに50を超えているかどうかを見るのがポイントです。

【ISM非製造業景況指数】
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カール氏の助言に従えば、指数はコンスタントに50を超えているため、経済は依然として堅調だと見ることができます。

ISM非製造業景況指数の発表を受けて、市場は利上げが遠のいたと考えているわけですが、数字を冷静に見れば、予想は下回ったものの景気拡大と縮小の分かれ目となる50は超えているので利上げがなくなったと考えるのは早計だと思います。

三時間後に発表されるベージュブックでは、各地域の経済状況についてまとめられており、FOMCの場で議論の叩き台にもなることから、ベージュブックの内容次第では急速にドルが買い戻され、金融株が買われると思います。

グッドラック。

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