バフェット太郎です。

リテール銀行大手のウェルズ・ファーゴ(WFC)が第3四半期決算を発表しました。内容は良かったです。

EPSは予想1.01ドルに対して、結果1.03ドルと予想を上回りました。
売上高は予想222億1000万ドルに対して、結果223億3000万ドルとこちらも予想を上回りました。

費用は前年同期比7%増となり、経費率は59.4%でした。これはWFCが効率的な経営の目標とする55~59%をやや上回る数字で、経費率は今後も高止まりすることが予想されています。

業績が予想を上回った主な要因は、個人の住宅ローンと石油・ガス業界向けが好調だったためです。

一方で、行員が顧客に無断で口座を開設するなどの不正な販売慣行が問題になり、ジョン・スタンプCEOが辞任に追い込まれました。また、WFCはこれまでに1億8500万ドルの制裁金を当局に支払うことで合意しましたが、今後も訴訟問題を控えているため、業績の不透明感は消えていません。
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チャートはWFCの週足チャートです。不正な販売慣行問題を受けて株価は冴えません。昨年つけた高値の56.5ドルから約-21%安の44.71ドルに沈んでいます。ちなみに日本の個人投資家から見た場合、為替差損を含めれば高値から-32%下落したことになります。

チャートは弱気の下降トレンドチャネルを形成しており、サポートラインを反発しましたが、大底をつけたわけではないので、トレーディングを目的とするなら「買い」のタイミングではないと思います。しかし、長期投資を戦略とするなら、PER11倍、利回り3.4%は十分魅力的な水準です。

WFCの収益はシティ・グループ(C)やJPMモルガン・チェース(JPM)と比べると、純粋な銀行業務に占める割合が高いため、リーマンショックやITバブルのときでも一番まともな決算を出していました。今回のスキャンダルは長期的な業績見通しを下押しするようなものではないので、WFCに投資している長期投資家は投げ売りする必要はありません。

ただし、マーケットは不透明感を嫌うため、短期的な相場見通しはネガティブです。また、政策金利も緩やかに上昇し、場合によっては利下げという展開もあり得なくはないので、そうなった場合は辛抱強く持ち続けなければなりません。

グッドラック。
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