バフェット太郎です。

前回の記事で、バフェット太郎は市場平均に勝つ方法として、指数に組入れられている優良高配当株を買い持ちし、配当を再投資することだと主張しましたが、その他にもPER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)などのバリュエーションの尺度として重要な指標を参考にしてアプローチする方法もあります。

PERとは、EPS(一株当たりの利益)の何倍で株が取引きされているかを示す指標です。ベンジャミン・グレアムとデビッド・ドッドは『証券分析 』で、「平均的なPER20倍以上の株価で株式を購入する投資家は、長期的には多額の資金を失うであろう」と述べています。

証券分析 』は1934年に出版された古典的名著ですが、80年以上も前に書かれた本であるため、PER20倍以上の株式を買っても多額の資金を失うことはありません。しかし、低PER株が高PER株に比べてリターンが大きいという意味では、いまも間違っていません。

ジェレミー・シーゲル著『株式投資 第4版 』によれば、1957年12月末から2006年12月末にかけて、S&P500種に採用されている500銘柄を、PERが低い順番に5つのグループにわけて調査した結果、低PERグループほど高PERグループに比べてパフォーマンスが大きいことがわかりました。

1位~100位までの最も低いグループの利回りが年率平均14.30%、101位~200位のグループの利回りは13.52%、201位~300位は11.11%、301位~400位は10.04%、401位~500位は8.90%でした。
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つまり、長期投資をするなら低PER株を買った方が良いということになります。しかし、だからと言って低PER株ならなんでも良いというわけではありません。

ジェームズ・オショーネシー著『ウォール街で勝つ法則 - 株式投資で最高の収益を上げるために 』によれば、全銘柄を対象にした場合のPER戦略は間違いだと主張しています。オショーネシーが1951年12月末から1996年12月末までの期間を対象に調査した結果、米国の全銘柄を対象にしたPER下位50銘柄のリターンは年率平均12.65%だったのに対して、全銘柄のリターンは13.23%だったのです。つまり、全銘柄を対象にした場合、PER戦略は通用しないのです。これは全銘柄を対象にしてしまうと、他の低PER株よりも深刻な問題を抱えている本当にヤバイ銘柄を抽出してしまうからだと考えられます。

実際、大型株を限定に調査した結果では低PER戦略は有効だったと証明されています。同期間で大型低PER株50銘柄に投資した場合の年率平均利回りは14.10%と全銘柄リターンの13.23%を上回っているのです。ジェレミー・シーゲルもちゃんとS&P500に採用されている大型株を対象に調査していたから、低PERグループの方が高PERグループに比べてパフォーマンスが大きかったわけです。

従って、PERを尺度として投資する場合、それが大型株であるかどうかを必ず確認してください。もし、それが大型株でないのならPER戦略は失敗すると思いますよ。

グッドラック。


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