バフェット太郎です。

1000年に一度の危機と言われたリーマンショック(2008年)の影で『史上最大のボロ儲け』をしたジョン・ポールソン氏。彼が率いるヘッジファンドはいま巨額の損失を被っているそうです。

ポールソン氏はもともと2007年のサブプライムローン問題で、米国の住宅バブルの崩壊に賭けて巨額の利益を上げたことで有名になり、当時、世界一稼いだファンドマネジャーとして一躍時の人となりました。

しかし、その後の運用成績は低迷し、2011年に380億ドルだった運用資産額は、今では約120億ドルまで減ったそうです。彼の運用成績がガタガタに悪くなっている主な要因は、カナダの製薬会社バリアント・ファーマシューティカルズをはじめとしたヘルスケア株への投資に失敗したからです。

ポールソン氏がヘルスケア株を買った主な理由は、製薬業界の再編が加速することで、特殊医薬品メーカーの成長見通しが明るくなると予想したためです。

【ジョン・ポールソンのポートフォリオ(2015年12月末)】
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2015年12月末時点のポールソン氏のポートフォリオは上位5銘柄が医薬・バイオなどのヘルスケア株を中心に、ポートフォリオの43.3%を占めていました。また、ポールソン氏が保有している全てのヘルスケア株を含めると、全体の半分以上を占めており、ヘルスケア株に集中投資していることがわかります。

しかし、薬価引き下げ問題などを受けてヘルスケア株は軒並み急落し、ポールソン氏の読みは大きく外れてしまいました。各銘柄の年初来騰落率は、S&P500指数が+3.76%だったのに対して、アラガン(AGN)-36.52%、バリアント・ファーマシューティカルズ(VRX)-81.06%、テバ・ファーマシューティカルズ(TEVA)-38.56%、マイラン(MYL)-33.41%です。

ヘルスケア株に投資して失敗したのは何もポールソン氏だけではありません。同じくバリアント・ファーマシューティカルズ(VRX)の筆頭株主でもあり、同社株に集中投資していたウィリアム・アックマン氏も大損しました。

★★★

投資の世界には、市場を出し抜き、自分だけ大儲けしてやろうと考える投資家が巨万といます。しかし、特定の時期に大勝ちするような投資手法というのは、読みが外れれば大損することを意味するため、ある意味でポールソン氏が大損しているのは、至極当然のことと言えるのです。

多くの個人投資家にとって最適な投資手法というのは、特定の銘柄やセクターに過度に偏った集中投資をすることではなく、ディフェンシブ銘柄を中心に十分に分散されたポートフォリオを作り、配当を再投資することで資産の最大化を目指すことです。

グッドラック。

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