バフェット太郎です。

ブラジル株に「売り」シグナルが出ているのでブラジル株ETFに投資している人は即時撤退してください。

ドナルド・トランプ氏はかねてから「財政支出拡大計画」を公約に掲げており、これが実現すると債券価格は下落し、利回りは上昇します。また、12月にはFRBが利上げを実施することがほぼ確実視されているため、こうしたことも国債利回りを上昇させる原因になっています。

米国債利回りが上昇する局面では、投資家たちは、新興国株や新興国債券、高PER株を売り、米国の景気敏感株(資本財株、素材株、一般消費財株)や米国債などを買います。なぜなら、新興国株などのリスク資産を買わなくても、景気敏感株や米国債の方が安全でリターンも高いからです。

【米10年債利回り】
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チャートは米10年債利回りの週足チャートです。200日移動平均線を突破し、これからガンガン上昇すると思います。

【ヴァンエック・ベクトル・ブラジル小型株ETF:BRF】
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チャートはヴァンエック・ベクトル・ブラジル小型株ETF(BRF)の週足チャートです。チャートを眺めると、RSIのMACDの上値が切り下がっている一方で、指数の上値が切り上がっておりダイバージェンス(逆相関)が確認できます。

これは上昇相場の最終局面に出やすいシグナルで、「売り」を意味します。大統領選挙の結果を受けてすでに急落していますが、ここからさらに下落して今年の二月につけた安値まで下がり続けると思います。つまり直近の高値から半値以下になるということです。

【ドル/ブラジルレアル:USDBRL】
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ドル/ブラジルレアルの週足チャートです。上に行くほどドル高レアル安です。為替チャートも同様にダイバージェンスが発生していることが確認できます。

通貨安は輸出競争力を高めてくれますが、その前にドル建て債務が膨張することで企業の倒産リスクが高まるだけでなく、メキシコやアルゼンチンなど経済危機のリスクにもさらされます。1982年、メキシコがデフォルトすると他の中南米諸国に対する警戒感も高まったためブラジルへの資本流入が激減し、同年ブラジル政府はIMFに対して債務救済の要請をしています。つまり、ブラジルはブラジル経済だけ良ければ良いということではなくて、メキシコやアルゼンチンなど南米諸国の影響を大きく受けるということです。

ちなみに歴史を振り返れば南米諸国が破綻するのは普通のことです。1982年以降、公的対外債務の不履行またはリスケジュール(債務返済の繰り延べ)をした国と回数は、アルゼンチンが三回、ボリビア一回、ブラジル一回、チリ回、エクアドル三回、パラグアイ二回、ペルー一回、ウルグアイ四回、ベネズエラ四回です。

長期投資家のなかにはブラジルなどの新興国株に長期投資しようとする人もいますが、それは間違いです。通常長期投資とは、米国などの先進国の優良株のみを対象とするものなので、ブラジルなどの新興国に長期投資してもほとんど儲かりません。なぜなら企業の収益は安定していないし、そもそも通貨そのものが不安定だからです。だから、「俺は長期投資家だからブラジル株をバイ&ホールドだ」なんてバカの一つ覚えみたいなことは止めてくださいね。

新興国株は利が乗ったら売らなければなりません。また、潮が引けば相場から降りて、他の資産に投資しなければならないのです。間違ってもこれから下がり行く資産を買い持ちしてはいけません。

これからブラジル株などの新興国株は限りなく危険な投資対象になりますよ。

グッドラック。
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