バフェット太郎です。

配当再投資戦略を実践して、最も成功した個人投資家にロナルド・リード氏がいます。

リード氏は米バーモント州に住むおじいさんで、二年前の2014年6月、92歳でこの世を去りました。リード氏はどこにでもいる普通のおじいさんだったのですが、彼が少し普通と違ったのは、普通のおじいさんより服がボロボロで、まるでホームレスのようだったことと、愛読書が米投資新聞ウォールストリート・ジャーナルだったということです。そして彼の死後、見つかった遺産の総額は9億7000万円もあり、その全てが米国株だったのです。

リード氏は第二次世界大戦から帰国するとガソリンスタンドで25年間働き、その後は米百貨店JCペニーで用務員として働く典型的な労働者階級でした。

リード氏の投資家人生の物語の始まりは、ガソリンスタンドで働いていた37歳から始まります。リード氏は最初にPG&Eコーポレーション(PCG)というサンフランシスコに本社を置く電力・ガス会社の株を2380ドル(39株)分買いました。インフレ調整後の現在価値で1万0735ドル相当です。

ガソリンスタンドの給与はそれほど高くはないので、少ない給与から1万ドル捻出するのは大変苦労したと思います。リード氏はその後もお金を貯めては新たに株を買い足し、最終的に95銘柄に投資しました。以下がその銘柄の一部です。

【ロナルド・リード氏の主要銘柄】
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【時価評価額】
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これらの銘柄に共通するのは、米国を代表する大型株であること、消費者に馴染みのあるブランドを保有している企業であること、そして配当を出していることです。つまり保守的な銘柄を選好していたというわけです。

「保守的だ」と言いながら紙くずになったリーマン・ブラザーズの株券も見つかったそうですが、多分これは、もともとリーマン・ブラザーズがアメリカン・エキスプレス(AXP)の傘下だったことが理由として挙げられます。つまり、スピンオフ(分離独立)した後も、売らずにそのまま保有していたということです。

また、生活必需品株やヘルスケア株、公益株などのディフェンシブセクターだけでなく、金融株や好況局面に強い資本財株など、ムラなく分散し運用されていました。一方でハイテク株や成長株などには一切投資していなかったそうです。

これからロナルド・リード氏のような投資戦略を始めたいと考えるなら、銘柄選びに以下の点に注意しなければなりません。

一、大型株であること
二、配当を出すこと
三、消費者に馴染みのあるブランドを保有している企業であること
四、地味で退屈な企業であること(将来有望の成長株ではないこと)
五、広く分散すること

そして投資戦略は配当を再投資し続けることです。しかし、毎月再投資する必要はなく、一年に一度ポートフォリオを見直すためだけに再投資をしてもいいのです。大切なことは続けることです。

グッドラック。
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