バフェット太郎です。

6日のNYダウ株式市場は前日比+64.51ドル(+0.32%)高の1万9963.80ドルと上昇して取引きを終えました。この日労働省が発表した雇用統計の内容が買い材料になり、一時1万9999.63ドルと2万ドルの大台まで迫ったもののウォルマート・ストアーズ(WMT)が前日比ー1.37%安に沈んだことが相場の足を引っ張りました。

12月の米雇用統計はこの日の買い材料になったものの、内容はまちまちでした。

非農業部門雇用者数は予想17万8000人増に対して、結果15万6000人増と予想を下回りました。

10月・11月分は合計1万9000人分上方修正されました。

失業率は前月の4.6%から4.7%へと小幅上昇しました。

時間当たりの平均賃金は前年同月比2.9%増と、前月の2.5%から加速しました。

さて、今回の雇用統計は非農業部門雇用者数が予想に届かなかったことに加えて、失業率が上昇したにも関わらず株価は上昇しました。

これは何故かと言うと、投資家が最も注目していた時間当たりの平均賃金の伸び率が予想以上に増加していたからです。そもそも米国の労働市場が完全雇用に近づきつつある今、それほど多くの雇用者数の伸びは重要ではないんです。また失業率の上昇は、やむなくパートタイム職に就いている人や職探しを諦めた人たちが再び労働市場に戻ってきたことを意味しており、労働市場に対する信頼感が回復していることを示唆しています。

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そしてこの展開(賃金の上昇)はFRB(米連邦準備制度理事会)のイエレン議長がまさに思い描いていたシナリオ通りになっています。

イエレン議長はかねてから米国経済を回復させるためにはインフレ率2%を目標に掲げています。なぜ2%なのかと言うと、この水準を保つことが先進国の健全な成長を促し、緩やかな経済規模の拡大を実現させるものと信じられているからです。

このインフレ率2%の目標を達成させるためには、賃金が3.0-3.5%増加する必要があると考えられており、イエレン議長は賃金を上げたがっているわけです。しかし、イエレン議長は民間企業に賃金を上げるように要請することはできないので、自然とそうなるように促す必要があります。そこでイエレン議長が仕掛けたのが「スラック(余剰資源)の縮小」です。

スラックとはやむなくパートタイム職に就いている人や職探しを諦めた人たちのことです。彼らを再び労働市場に参加させることで、スラックが縮小し、企業の人材確保は困難になります。すると企業は人材確保のために賃金を引き上げざるを得なくなるというわけです。

12月の雇用統計で賃金は2.9%増加したので、インフレ率2%を達成するために必要な賃金の伸び率3.0-3.5%に迫る勢いを見せたことから、FRBのシナリオ通りに米国経済は動いているというわけです。

こうしたことを背景に3月の利上げ観測が高まり、ドルは上昇、金は売られました。

ちなみに金鉱株への投資タイミングは「まだ」です。

過去に答えを求めれば、金鉱株は政策金利と逆相関の関係を示しているからです。つまり、政策金利が上昇する局面では金鉱株は「売り」です。それについての検証は「金鉱株と政策金利の関係」で書いたので参考にしてください。

しかし、金鉱株と政策金利の逆相関の関係には例外も存在します。それは2004年から07年にかけての出来事です。

それまで金価格は15年間400ドル台の大台をなかなか超えられずにいたのですが、2001年以降の金の強き相場が止まらず、04年に400ドル台を突破し、07年に700ドルの大台に到達したのです。この時、政策金利も1%から5.5%へと引き上げられていました。また、金価格の上昇はコモディティ価格の上昇と米国経済の成長を背景にインフレ率が上昇したことが背景にあります。

つまり、これから金鉱株に何が起こり得るかと言うと、金価格の上昇とともに金鉱株も上昇するということです。しかし、それは今じゃなくておそらく2月~4月くらいで、FRBや市場参加者たちがインフレ2%を確認してからになるんじゃないかなっていうのがバフェット太郎の予想です。

グッドラック。
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