バフェット太郎です。

米ファストフード世界最大手のマクドナルド(MCD)が中国事業の株式80%を中国国有コングロマリットの中国中信(CITICリミテッド)率いる企業連合に20億ドルで売却することで合意しました。

これで株式100%のうち52%を中国中信と中国中信の金融子会社が、28%を米プライベートエクイティのカーライル・グループが取得し、残りの20%をマクドナルドがそのまま保有し続けます。

マクドナルドの中国事業は2006年から11年までの6年間、世界的な金融危機に見舞われて売上高の伸び率が鈍化するも、平均23.37%で成長してきました。ところが12年になると伸び率が8.9%、13年9.7%と鈍化し、14年は食品消費期限切れ問題の影響を受けて2.8%にまで鈍化しました。その後も消費者の不信感や地元チェーン店との激しい競争だけでなく、南シナ海問題巡って反米デモの対象企業になって叩かれていたことなどを背景に、売上高の伸び率が回復しませんでした。

また、「KFC」や「ピザハット」を運営するヤム・ブランズ(YUM)も同様に中国事業の不振が続いていたため、2016年10月末に中国事業をスピンオフ(分離・独立)しています。

さて、マクドナルド(MCD)がこれで中国から完全撤退するわけではありません。マクドナルド(MCD)は中国事業の株式80%を売却して20億ドルを手にするだけではなく、今後20年間にわたってロイヤルティー収入を売上高の6%前後を受け取り続けます。この6%という数字はヤム・チャイナがヤム・ブランズ(YUM)に支払うロイヤルティー料の3%より二倍大きいです。

マクドナルド(MCD)はスティーブ・イースターブルック氏がCEOに就任すると運営費用を削減するためにFC(フランチャイズ)店舗を拡大することを目指していましたので、中国に展開する2200店舗のうち65%が直営店だった中国事業を、まるごと売却してロイヤルティー収入を得るのは既定路線です。また、韓国でも同様に外部の投資家と同様の契約を結ぶことを目指しています。
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2014年以降、食品消費期限切れ問題の影響を受けて日本マクドナルドが赤字に陥っていた一方、同じ問題を抱えていた米マクドナルドは47億ドルもの利益を上げていました。これは、米マクドナルドが全世界にあるFCの売上高からロイヤルティー収入を徴収するビジネスモデルであるため、赤字になりようがないからです。

従って今回の中国事業売却は、長期的に見れば各国各地域で地元経営の恩恵を受けつつ、ロイヤルティー収入を徴収する「ハッピーセット」になり得ます。

グッドラック。

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